2012年(平成24年) 11月16日(金)付紙面より
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出羽三山神社の「松の勧進」が15日、お膝元の鶴岡市羽黒町手向地区で始まった。時折強い雨が降る中、山伏たちが吹き鳴らすほら貝の音が初冬の山里に響き渡った。
松の勧進は、大みそかから元旦にかけて羽黒山頂で行われる出羽三山神社最大の祭事「松例祭」の浄財を集める行事。100日間の修行を積み祭りで主役を務める山伏の松聖(まつひじり)2人が、小聖(こひじり)の山伏を従えて家々を回り、無病息災や家内安全のお札を配る。
今年の松聖は、「位上(いじょう)」が粕谷典史さん(63)=手向=、「先途(せんど)」が芳賀繁夫さん(63)=同=の2人。9月24日から100日修行に入り、今月13日まで前半の50日間は精進料理を食べ朝夕に勤行を行う別火(べっか)精進を続けた。現在は羽黒山中の斎館にこもり、後半50日間の修行を積んでいる。
この日は時折冷たい雨が降る寒さの中、午前8時半ごろ、小聖8人を従えた一行が同神社社務所を出発。松聖たちは近くの不動尊や稲荷神社、羽黒山開祖の蜂子皇子が100日修行を積んだとされる小高い聖山(ひじりやま)などを回った。小聖たちは地区内の各家を回って米や浄財を集め、お札を手渡した。
松の勧進は1週間ほどかけて羽黒地域を巡る。来月1日からは旧鶴岡市内などを回り、庄内全域で12月いっぱい続けられる。