2012年(平成24年) 11月17日(土)付紙面より
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県内のほぼ全域を30分以内でカバーするドクターヘリの運航開始式が15日、山形市青柳の基地病院となる県立中央病院ヘリポートで行われ、関係者が就航を祝った。午後には置賜地区で発生した山岳事故に初出動した。
ドクターヘリは、県民が安心できる社会の実現に向け、傷病者の救命、後遺症の軽減などを目的に、県が本年度約1億8900万円の予算を計上し導入。基地病院となるヘリポートも県立中央病院敷地内に整備した。
ヘリコプター(ユーロコプターEC135)と操縦士、整備士などは、ドクターヘリ就航に実績がある東邦航空(本社・東京)に委託。フライトドクター7人とフライトナース8人は県立救命救急センターを主に確保した。
10月には県内12消防本部の通信司令担当者を集め、出動要請に関する研修会を開催したほか、22日から今月7日まで実際にドクターヘリを使った実機訓練を県内全域で実施してきた。
開始式には、県や病院関係者、各消防本部職員ら約110人が出席。吉村美栄子知事が「今年3月に導入を決めてから、短期間で運航開始となったのは関係者の努力のたまもの。安全を第一にチームワークで頑張ってください」とあいさつ。テープカットの後、パイロットやフライトドクター、フライトナースらスタッフ紹介が行われた。
就航したドクターヘリは、双発機で時速約200キロ。基地のある中央病院から酒田市まで約30分、飛島まで約40分で到着。県内756カ所に臨時着陸場(ランデブーポイント)を選定。消防職員に限らず自治体職員、民間人も着陸地の安全管理を支援する全国初の試みとなる「山形方式」で運航される。
ドクターヘリは、現在、全国31都道府県で就航。日本海側では島根県、秋田県、新潟県に次いで4番目。