2013年(平成25年) 1月29日(火)付紙面より
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新酒を奉納して五穀豊穣と商売繁盛を祈願する「第3回山王新酒祭り」が26日、鶴岡市山王町の山王日枝神社と山王商店街などで開かれた。地元酒蔵8社が醸造した自慢の酒を味わう試飲に地酒ファンが大勢訪れ、新酒の出来栄えを堪能した。
江戸時代中期の享保のころには造り酒屋が多くあり「酒屋町」と言われた時代もあったという山王商店街で、往時のにぎわいを復活させようと、鶴岡山王商店街振興組合、NPO法人公益のふるさと創り鶴岡などが実行委員会をつくり、2年前から始めた。
同神社拝殿で各酒蔵の新酒を奉納する神事を行った後、山王デイバザール会場、石川酒店、旧イチローヂ商店、鶴岡まちなかキネマの4カ所で新酒試飲会。1カ所でおちょこ2杯(2種)ずつ試飲でき、チケットを購入した参加者たちはプレゼントされたおちょこを手に各会場を回り、純米大吟醸酒など8社の搾りたて新酒の飲み比べを楽しんだ。
商店街は吹雪に見舞われたが、参加者たちは「酒が入れば暖まる」と笑顔を見せ、寒さに負けず会場巡り。旧イチローヂ商店では熱々の玉こんにゃくのつまみも用意され、見知らぬ参加者同士が地酒談議で盛り上がるなど、街角の立ち飲み屋風のにぎやかな雰囲気を醸し出していた。
年明けから鶴岡市内のメーカーに出張で来ているという川崎市の会社員、今城慎一さん(57)は「同僚に誘われて来た。普段はあまり日本酒を飲まないが、鶴岡の地酒は本当にうまい。雰囲気のいいイベントで、とても気に入った。出張のいい思い出になる」と話し、新酒祭りを満喫していた。