2013年(平成25年) 3月30日(土)付紙面より
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山形大農学部(西澤隆学部長)が鶴岡市若葉町の学生寮「啓明寮」で進めていた改修工事が完了し28日、開寮式が現地で行われた。建物全体を耐震補強したほか、2人部屋を1人部屋にするなど居住環境を改善、新たに女子寮を設けるなどしたもので、新年度から新たな寮生活が始まる。
啓明寮は1966年、学部西方に開設された。鉄筋コンクリート一部2階建て、延べ床面積は1730平方メートル。52室(1室約13平方メートル)に各2人が入り、定員は104人。風呂、トイレは共同で、受け入れは男子のみだった。しかし、老朽化して入寮者が減ったことや、女子学生の増加に伴い女子寮建設を望む声が高まっていたことなどから、昨年4月から改修していた。入寮者には一時、民間アパートなどに移ってもらっていた。
改修によって、寮室は1人部屋とし、1階には男子用44室、2階には女子用27室の計71室を設けた。玄関脇には管理人が常駐。2階入り口には指紋認証システムを導入し、「女子寮に入った男子は退寮」という規則を設けるなど、女子も安心して寮生活を送れるようにした。そのほか各階にラウンジと洗濯室など共用スペースを設けた。
各寮室にはユニットバス、エアコン、地デジ・BS端子(契約は各自)、インターネット端子(同)、給湯設備を備えた。
外構の駐車場や駐輪場、ベンチ整備などを含め改修の総事業費は約3億6000万円。
この日は大学本部や学部の教職員、近隣住民、工事関係者ら約30人が出席。玄関ポーチ前で西澤学部長や鶴岡市の秋野友樹企画部長、入寮生代表の上石和樹さん(23)=大学院農学研究科2年、宮城県名取市出身=ら5人がテープカットし、開寮を祝った。屋内で行われたセレモニーで、西澤学部長は「待望の男女混合寮として生まれ変わった。今後とも就学環境の改善に努力する」、上石さんが「大きな喜びを感じる。初心を忘れず充実した毎日を送りたい」とそれぞれあいさつした。
寮費(家賃)は月1万8000円(光熱費は別)。新年度は留学生11人を含め、定員いっぱいの71人が入る。