2014年(平成26年) 3月22日(土)付紙面より
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出羽三山神社神職養成所(鶴岡市羽黒町手向)の「卒業禊(みそぎ)」が20日、羽黒山中の祓川で行われた。神職として巣立つ卒業生が雪解け水の流れる川へ入る荒行で、2年間の修行を締めくくった。
本年度の卒業生は村山市出身の阿部邦康さん(29)のみ。卒業禊には阿部さんのほか教官役の神職など13人が臨んだ。白装束にわらじ姿で同神社社務所を出発し、午前7時半すぎに国宝・五重塔近くの祓川に到着。船をこぐような動作の「鳥船」と呼ばれる準備体操で気合を込め、下帯姿で川へ入っていった。
例年に比べ積雪量は少ないものの、ごうごうと流れる川の雪解け水は身を切るような冷たさ。神職たちは胸まで冷水に漬かりながら、竹の梵天や互いの体を支え合いながら祈りをささげた。5分ほどで川から上がると全身が真っ赤に染まり、唇が青白くなる人もいた。
卒業生の阿部さんは「入所した当時は何も分からず不安だらけだったが、振り返ると充実していた2年間だった。今はすがすがしい気持ち。これから神職として日本や神様のことを多くの人に伝えていきたい