2014年(平成26年) 6月6日(金)付紙面より
ツイート
犬を主人公にした全国でも珍しい祭り「大山犬祭り」が5日、鶴岡市大山地区で行われ、伝説の「メッケ犬」をかたどった犬みこしや、若衆による勇壮な「からぐり山車」など約1000人の行列が地区を練り歩いた。
椙尾神社(同市馬町)の例大祭。昔、同神社の裏山にムジナの化け物2匹がすみつき、村の娘を人身御供に差し出さないと、田畑を荒らしていた。旅の六部が、2匹が恐れていた「丹波の国のメッケ犬」を探して連れ帰り、ムジナを退治した―という伝説に由来。3地域の頭屋(神宿)がそれぞれ人身御供「仮女房」を中心にした行列を仕立て同神社まで巡行する。300年以上の歴史があり、酒田市の酒田まつり、鶴岡市の天神祭とともに「庄内三大祭り」に数えられている。
今年の頭屋は、下頭(西郷地区)がなく、上頭(大泉地区)が白山(阿部信雄頭主)、大山頭(元町)が第四区(橋本正輝頭主)。大型からぐり2基のテーマは、高館が「壇浦兜軍記」、尾浦が「矢の根」。
この日は午前11時半にJR羽前大山駅前から、鶴岡東高ブラスバンド部を先頭に、子供たちによる犬みこし、上頭の行列、からぐり山車などが次々に出発。からぐりの若衆たちは「そーれ、そーれ」と勇ましい掛け声で引いた。4つの酒蔵がある「酒の町・大山」でもあり、青竹を酒器にした「かっぽ酒」が沿道の人々に振る舞われ、祭りムードを盛り上げた。