2014年(平成26年) 9月26日(金)付紙面より
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庄内医療生協が運営する高齢者施設「サポートセンターあさひ」(冨樫茂秀所長)で24日、集中豪雨による土砂災害を想定した避難訓練が行われ、入所するお年寄りの安全な避難誘導や職員の役割分担を確認した。
近年の台風などの豪雨による土砂災害が多発しているのを受け、災害時要援護者関連施設として県庄内総合支庁などの協力で初めて実施。国道112号沿いの同施設は、国道を挟んで西側に斜面があり、崖崩れが発生した場合の警戒区域となっている。
この日は県庄内総合支庁河川砂防課や市朝日庁舎、消防などから担当者約10人が訪れ、施設側は職員9人と利用者のお年寄り11人が参加した。初めに映像を見ながら、自然災害のうち土砂災害の発生が増加傾向にあり、さらに犠牲者が多い災害であることを学習した後、鶴岡市南部に土砂災害警戒情報が発表され、施設の近隣で崖崩れ発生の恐れが高まったとの想定で訓練が行われた。
鶴岡市から土砂災害警戒情報が伝えられると、冨樫所長が今後の降雨予測を確認しながらお年寄りの避難を指示。指示を受け職員が1階から2階の一時避難場所に車椅子のお年寄りを一人ずつエレベーターで移動させるなどした。
訓練を終えての反省では、職員から「歩ける人も付き添いの人が必要」「利用者の半数以下の参加人数で実際の場合は不安」などの声が出された。見学した消防担当者は「近くにある高齢者施設とも情報交換し、有事の際は空振りしてもいいから情報を行政に上げてほしい」と話した。