2014年(平成26年) 11月26日(水)付紙面より
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「鍋から始まるまちづくり」をキーワードに、市民や学生らが一緒に鍋料理を囲む「鍋の会」が24日、酒田市港南コミュニティ防災センターで開かれ、「塩ちゃんこ」で身も心も温めながら酒田の未来を語り、交流を深めた。
このイベントは、市教育委員会と東北公益文科大の連携で毎年実施している「市民大学講座」がきっかけで企画された。今年9、10月に同講座で5回、公益大の中原浩子特任講師が講師となり、「あなたの夢を実現しよう」をテーマに自分たちでできるまち活性化策を検討。「鍋の会」はそこで発表された6つの提言の1つで、提案した同大3年の門脇昂祐さん(21)=庄内町沢新田=が中心になって早速、具体化したものだ。
この日は講座の受講者を中心に、公益大の学生5人と市民、市の関係者、合わせて約20人が参加。お昼に合わせ、一緒に鶏のひき肉でつくねを作ったり、ネギを切ったりなど下ごしらえした後、鍋を囲んで交流。あんかけうどんや漬物など手作り料理を持参した人もいて、「おいしい」の声と談笑に包まれた。
門脇さんは「市民と行政が『何もしてくれない』『動いてくれない』などと責任を押し付け合うのでなく、学生が仲立ちとなって壁を取り払い、みんなが『自分にできることをしよう』と主体的な意識でまちづくりに関わる。そんなきっかけづくりの場になればうれしい」と企画の狙いを話した。
参加した高橋景史さん(61)=同市北新町二丁目、自営業=は「学生と触れ合う機会はなく、とても貴重で、楽しい。市役所の人も一緒で、楽しく飲食しながら何か生まれていく雰囲気がいい」、中原講師は「学生も市民と交流する機会があまりない。鍋のように、いろんな人が集まり、いい味を出せれば」と話した。
門脇さんらは「鍋の会」を継続的な活動にしていく考えで、2回目は来年1月ごろにも実施するという。