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荘内日報ニュース


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2014年(平成26年) 5月10日(土)付紙面より

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現地の様子 英語で報告 鶴岡高専 シンガポールへの短期留学

 鶴岡市の鶴岡工業高等専門学校(加藤靖校長)で8日、3月にシンガポールに短期留学した学生たちの帰国報告会が開かれ、現地の暮らしや視察の様子を英語で発表した。

 同校では国立高専機構(加盟51校)が2011年9月にシンガポールの5つの理工学院(ポリテクニック)との間で締結した学術交流協定に基づき、12年から相互に短期留学を実施。鶴岡側から同国に行くのは昨春に続き2回目で、現4年生19人が3月21―29日の9日間、ニーアン・ポリテクニックを中心に、東北エプソン(酒田市)とのつながりでシンガポール・エプソンなどを視察した。

 報告会には他の学生や教職員、特別ゲストとして東北エプソンの酒井明彦社長ら約60人が参加。留学した学生が4グループに分かれ、「ニーアン校のキャンパスは広かった」「英語の授業は興味深かったが、難しかった」「3Dプリンターを体験した。面白く、欲しくなった」「水族館では世界最大という水槽の大きさに驚いた」など英語で報告した。

 電気電子工学科4年の堀夏樹さん(18)は「現地では英語を話そうとしたが、予想以上に話せず、もっと勉強したいとの思いを強くした」と話した。随行した英語教員の徳永慎太郎さんは「インド系、マレー系、中国系など多様な伝統を保つ国民性など、異文化を肌で感じたようだった」と話した。

 報告終了後、東北エプソンの酒井社長が、安全や経済への貢献、品質を重視する社是を英語で講話した。

英語で留学の様子を報告した鶴岡高専の学生たち
英語で留学の様子を報告した鶴岡高専の学生たち


2014年(平成26年) 5月10日(土)付紙面より

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豊穣願い華やかに舞う 鶴岡市羽黒町 雷電神社で「高寺八講」

 鶴岡市羽黒町高寺の雷電神社に伝わる田楽「高寺八講」(県指定無形民俗文化財)が8日、同神社の春の例大祭で奉納上演され、華やかな花笠舞などで五穀豊穣(ほうじょう)を願った。

 室町末期ごろから氏子たちが受け継いできた豊作祈願の舞。「八講」とは8日の祭典「八日講」を略した説や、演目がかつて「八番」あったためなどの諸説がある。明治時代半ばまでは8番が舞われていたが、現在は「大小舞」「薙刀(なぎなた)舞」「花笠舞」「稚児舞」の4番。

 この日はすっきりとした青空が広がる中、地元住民たちによる行列が地区内を練り歩いた後、杉木立に囲まれた神社境内の八講楽殿で、幼児から小学生の男児4人による稚児舞を皮切りに、4番が奉納上演された。このうち最も華やかな花笠舞では、上部に色鮮やかな花を挿した四角い笠(かさ)をかぶった6人の舞い手が、日の丸扇とササラを持ち、太鼓や「ザリッ、ザリッ」というササラの音に合わせ力強く舞った。

 境内には校外学習の児童や地区住民、アマチュアカメラマンが訪れ、古式ゆかしい伝統の舞を楽しんでいた。

「高寺八講」が奉納上演され、華やかな花笠舞などが屋外の舞台で古式ゆかしく舞われた
「高寺八講」が奉納上演され、華やかな花笠舞などが屋外の舞台で古式ゆかしく舞われた


2014年(平成26年) 5月10日(土)付紙面より

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森の時間76 ━山形大学農学部からみなさんへ━

男はつらいよ 小山 浩正

 山が花で賑わう恋の季節に♂と♀の怖い話しをしましょうか。テレビで、一頭の雄のトドの周りに50頭以上の雌が群がる様子(ハーレム)が紹介されると、男達は「やっぱり一夫多妻が自然だ」と得意になって女達をムッとさせる。でも、アレって本当に男の理想郷だと思います?そう思っている貴男は脳天気ですよ。だって生物界では雌雄が半々で産まれるのです。一頭の雄に50頭の雌が群がれば49頭の雄があぶれます。特権的な一頭になるのはビル・ゲイツみたいな超セレブだけで、大多数の雄は陰で泣いている。だから、むしろ一夫一妻制の方こそ、平等に権利が回るように雄どうしで結託した紳士協定と言えるのです。動物界のパートナー選びは雌に選択権があり、彼女たちが厳しく査定した結果、優れた雄だけに人気が集まるのが常です。トドのハーレムはそれを見せつけているわけですが、この「雌による雄の選別」、なんと植物もやっています。

 満開に咲いた春の花はその全てが結実に至るわけではありません。むしろ大半が成熟の途上で落ちます。天候のせいで落ちることもありますが、母樹が故意に落としている場合も少なくありません。中絶しているのです。わざわざ沢山咲かせておいて後で中絶する。それが雄を選別する手段なのです。多くの花を用意すれば色々な雄から花粉の提供を受けることができるので、母樹はその中から優れた遺伝子を得た花だけに栄養を回します。一方、デキが悪いと査定された花粉は受精を拒否されるか、受精後に花ごと中絶されます。こうして花粉たち(つまり雄たち)は天秤にかけられ、値踏みされ、多くが虚しく脱落してゆくのです。

 では、母樹はどのように花粉の優劣を見極めるのでしょう?ご承知のように、雌しべの先に到着した花粉からは管が下に伸びて根元にある卵細胞と合体します。この管が伸びるスピードは遺伝的に優れた花粉ほど速いそうです。つまり、雄どうしで競争させられ、いち早く到着した者だけが合体の権利を得るのです。優れた一位を確実に選ぶには陸上競技と同じで、より多くの競技者を集め、長距離を走らせ、予選を繰り返すのが良いでしょう。このため、一定数以上の花粉が集まらないと花粉が伸長できない仕組みも多くの植物で知られています。ユリやチューリップの雌しべは先端が広く直下でくびれていますが、これも多数から強者を一挙に絞り込むための仕掛けです。雌しべの下(柱頭)がやけに長いのも卵細胞までのコースを長くして優劣差を際立たせるのに役立ちます。一つの花の中で予選が終われば、今度は花どうしの本選が待っている。こうしてウサイン・ボルトのような選ばれし者だけが子孫を残せるのです。

 読者諸兄、それでも一夫多妻が羨ましい?ちなみに講義でこの話をすると、女子の感想は「男は気の毒な生き物だ」と余裕のコメント。一方、男子からは「今や、一妻すら難しいです」…それを言っちゃぁおしまいよ。男はつらいね。

(山形大学農学部教授 専門はブナ林をはじめとする生態学)

オオヤマザクラ 鳥海山/かくれ山にて=2013年5月19日、自然写真家・斎藤政広撮影
オオヤマザクラ 鳥海山/かくれ山にて=2013年5月19日、自然写真家・斎藤政広撮影



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