2015年(平成27年) 10月9日(金)付紙面より
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庄内町家根合の家根合揚水機場で7日、「魚の学習会」が開かれた。町立余目第一小学校(中野智嘉校長)の4年生が泥だらけになりながら貯水池のコイやフナを捕まえ、魚の生態を学んだ。
家根合地区の農業者でつくるNPO法人の家根合生態系保全センター(佐藤昭一理事長)の主催。次の世代を担う子供たちから地元の生態系を学んでもらおうと、最上川土地改良区(同町余目)や県庄内総合支庁、庄内町などと連携し、10年ほど前から毎年この時期に開催している。
この日は4年生28人と引率教員、改良区職員、NPO関係者など合わせて約50人が参加。約2メートルの深さの貯水池は水門を閉じたため、児童の足首ほどまで水量が減り、水中でうろこをきらめかせる魚の姿があちこちで見えるほど。長靴を履いた児童たちは池に入ると泥水をはね上げながら、たも網で魚を追った。
数人がかりで魚を池の端に追い込み、うまく網に入ると「でかいの捕まえた!」と大騒ぎ。中にはズボンやシャツを泥まみれにした児童もいた。今回はコイやギンブナ、ゲンゴロウブナ(ヘラブナ)、タモロコ、オイカワなど13種類の魚とモクズガニが見つかり、中にはワカサギやハゼの仲間のウキゴリなど珍しい魚も交じっていた。
児童たちは改良区職員から魚の名称や特徴、習性などを教わりながら地元の豊かな生態系について学んでいた。武田真陽留君(9)は「フナみたいな魚を手づかみで捕まえた。たくさん魚がいて驚いた」と話した。
家根合揚水機場は、最上川土地改良区が最上川や立谷沢川の流れを引き込んでいる。池にためられた水は農業用に家根合地区の水田へ送られる。毎年春、池底の土砂を除くため前年の秋に貯水池の水を抜いており、その際に川から迷い込んだ魚を保護して近くの池や小川に放流している。