2016年(平成28年) 4月3日(日)付紙面より
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鶴岡市昭和町の「交野屋(かたのや)平田亭」で「交野屋・平田家所蔵お雛様(ひなさま)展」が始まり、江戸時代中期に作られたとされる大型の次郎左右衛門雛などの貴重なひな人形が訪れた人たちを楽しませている。
交野屋の屋号を持つ平田家は伊勢松坂の商人をルーツに持ち、戦国時代に武将・蒲生氏郷に従って会津若松に移り、さらに最上義光の統治時代に鶴岡へ移り住んだ。酒井家入部以降は御用商人となり、明治以降は事業家として地域の発展に貢献してきた。
交野屋平田亭は昭和初期に建てられた平田家旧宅の離れ。建物はモダンな様式と京風の伝統様式を融合させた木造2階建て。一昨年からオープンスペースとして活用され、同年3月にお披露目を兼ねてひな人形の展示を始めた。
今回は3回目の展示で、明治初期から順次そろえられたひな人形やひな道具を展示した。会場には室町時代のものといわれる「立雛」、県内でも数少なく貴重という30センチほどもある大型の「次郎左右衛門雛」など貴重な人形をはじめ、古今雛、享保雛の内裏、雅楽、三人官女、翁、六歌仙など重厚感のある人形がずらり。
展示初日の2日は、訪れた人たちが貴重な人形をじっくりと眺めて楽しんでいた。友人と訪れた市内の60代女性は「昔の人形なのに保存状態が良くてとってもきれい。ゆっくりとした時間を過ごせて楽しかった」と話していた。
交野屋平田亭は「蔵屋敷LUNA」隣。展示は5日までで、時間は午前10時から午後3時半まで。入亭料大人400円。茶席(有料)もある。3日午後3時からは東玉(埼玉県さいたま市岩槻区)社長の戸塚隆さんが「五節句と人形のまち岩槻について」と題して講話する。定員は先着25人。