2016年(平成28年) 5月27日(金)付紙面より
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「みちのくの奇祭」として知られる鶴岡市の天神祭が25日、同市の中心市街地で行われた。呼び物のパレードには50団体約2500人が参加し、子供みこしや大絵馬パレード、さまざまな仮装による踊りを繰り広げた。編みがさに長じゅばんの「化けもの」も繰り出し、沿道の見物客に酒などを振る舞った。
天神祭は、学問の神様・菅原道真公を祭る鶴岡天満宮の例祭。道真公が九州大宰府に流された時、慕う人々が姿を変えてひそかに酒を酌み交わし別れを惜しんだという故事があり、鶴岡では「化けもの」姿で道行く人に無言で酒を振る舞うのが習わし。3年続けて正体を知られずにお参りできると願い事がかなうとされ、「化けもの祭り」とも呼ばれる。
今年のパレードは、子供みこしや大絵馬、菅原道真公行列、手踊り行列による「天神はんくねり」が市中央児童館から、小学生による踊りフェスティバルと仮装などのエンジョイパレードなどによる「にぎわい天神パレード」がJR鶴岡駅前から、それぞれ午後2時に出発。鶴岡公園疎林広場まで約3時間かけて練り歩いた。天神はんくねりでは道真公行列20周年を記念し、歴代の道真公役がくねりに加わった。
パレードの途中で小雨がぱらつく場面もあったが、沿道には大勢の見物客が集まりパレードの踊り手たちへ声援と拍手を送った。また、親子連れや子供のグループなど約800人が「化けもの」となり、見物客に酒や飲み物を振る舞った。祭りの人出は約16万人(主催者発表)だった。