2016年(平成28年) 7月27日(水)付紙面より
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鶴岡市の秋山鉄工(秋山周三社長)は25日、JR鶴岡駅の裏にある「虹の広場」の池近くで営巣するカモの親子のために、池の段差を乗り越えるスロープを設置した。秋山社長は「使うかどうか分からないが、ちゃんと巣立ってもらいたい」と話している。
虹の広場は、本年度から鶴岡中央工業団地管理組合が市の委託を受けて管理。1カ月ほど前に、同組合に加盟する秋山鉄工の社員が草刈りをしていたところ、広場にある池のそばでカモが営巣しているのを発見。池は水面からへりまで高低差が約40センチあり、卵からかえったひなが池に入った後、水から上がれないことが予想されたため、秋山社長がスロープの設置を検討していた。
スロープは、秋山社長が作成した設計図を基に社員の五十嵐秀聡さん(35)が廃材を溶断・溶接して25日に完成。けがをしないようばりなどを取るなど、カモたちの安全に配慮した。150センチの長さで、18度ほどの傾斜を付けた。
設置では、秋山社長自ら池に入って組み立て。池には前日にふ化したとみられるひな3羽の姿もあり、親鳥にぴったりくっついて遠くから作業の様子を見守っていた。
五十嵐さんは「何のために使うのか伝えられずに設計図を渡された。出来上がるころにカモのためと聞いてびっくり。ひなが親鳥と一緒に元気に育ってもらえれば」と話していた。