2016年(平成28年) 10月1日(土)付紙面より
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鶴岡、庄内、三川の3市町が主催する「がん講演会」が29日、鶴岡市の出羽庄内国際村で開かれ、産業医科大の大和浩教授と東北大の栗山進一教授が、がん予防をテーマに講演。早期発見・早期治療に有効ながん検診の重要性を強調した。
庄内南部定住自立圏形成協定を締結している3市町が、がん検診受診率向上対策事業の一環で企画し、3市町の住民ら約200人が参加した。
職域の喫煙対策などを研究している大和教授は「たばこの煙はもういや! きれいな空気でがん予防」と題して講演し、海外では飲食店での喫煙を禁止する受動喫煙防止対策が進んでいる現状を報告。「韓国では段階的に飲食店での禁煙が進み、昨年1月に完全禁煙となった。日本でもできるはずだ」と述べ、受動喫煙防止対策の徹底を訴えた。
「がんの危険を減らす確実な方法とあなたに最適ながんの予防法」のテーマで講演した栗山教授は、「がんは予防できる時代になってきた。喫煙をやめ、食事と肥満にしっかりと気を付ければ60%ぐらいの危険性を減らすことができる」と指摘。その上で「食事の基本は野菜たっぷりで塩分を控えめにした和食。研究者の間では和食が世界的にまた見直されている。さらに、がんの危険を減らす確実な方法は検診を受けること。がん検診を受けないのはもったいない」と訴え、がん予防法には遺伝的要因と環境要因に加えて、おしゃべりなど人と人が関わり合いを持つ社会的要因の「ご近所の底力」も大切なことだと呼び掛けた。