2016年(平成28年) 10月26日(水)付紙面より
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鶴岡市下川の善寳寺(五十嵐卓三住職)で24日、妙達上人生誕1150年祭の本法要が行われた。龍神信仰の霊場・善寳寺草創の根幹を成した人物とされる妙達上人をたたえるとともに、妙達上人の尊像原木鑿(のみ)入れ式や、大祈祷(きとう)が行われ、参列した大勢の信徒らが手を合わせた。
善寳寺は、「今昔物語」にも登場する法華経の持経者・妙達上人が平安時代に草庵を結び「龍華寺」と名付けたのが始まり。妙達上人の生誕と、昨年11月17日付で「龍王殿」「五百羅漢堂」「龍華庵」「五重塔」「山門」「総門」が国の登録有形文化財に指定されたことを祝おうと、生誕祭を7月18日から10月28日まで開催している。締めくくりとして23―25日を慶讃(きょうさん)法要とした。
生誕祭期間中、奥の院・龍王殿内部にある御尊体を初公開するとあって、初日から約900人が訪問。9月末までに2万人余の拝観者が訪れている。
24日の本法要では、信徒ら合わせて約400人が参列。供養の後、近くの西郷幼稚園の園児10人の稚児行列、御詠歌奉詠と続いた。祝辞では曹洞宗管長や大本山永平寺、大本山總持寺の専使、榎本政規鶴岡市長が述べ、善寳寺最高顧問の新田嘉一氏があいさつした。読経、回向などが執り行われた後、五十嵐住職が「世界化の時代に向け、小さいながらも善寳寺の将来を見つめ、皆さまのご進上を賜りながら、これからも活動していきたい」とあいさつした。
その後の妙達上人の尊像原木鑿入れ式では、木曽ヒノキの原木に五十嵐住職をはじめ、参列者らが鑿入れ。妙達上人の尊像は、京仏師の櫻井覺山さんが制作、来春に遷座となる。