2017年(平成29年) 5月5日(金)付紙面より
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JR東日本が1日から運行を始めた豪華寝台列車「TRAIN SUITE 四季島(トランスイートしきしま)」の一番列車が4日早朝、秋田県から羽越本線を走行して庄内に入った。県内唯一の停車駅となった鶴岡市の鶴岡駅とあつみ温泉駅には市民だけでなく県外を含め合わせて1000人を超える人が見物に訪れ、乗客は加茂水族館やあつみ温泉の観光を楽しんだ。庄内を訪れる3泊4日のコースは11月末まで計26回運行され、全て完売。地元関係者は「乗客の皆さんから鶴岡の良さを全国に発信してもらうチャンス」と期待を寄せている。
乗客33人を乗せた四季島は4日午前5時18分に鶴岡駅、同6時にあつみ温泉駅に到着し、鶴岡駅に14分、あつみ温泉駅に1時間34分停車し、新潟県に向かった。鶴岡駅では荘内藩甲冑(かっちゅう)武者隊が立ち回りを披露するなどして歓迎。あつみ温泉駅では榎本政規鶴岡市長、若松邦彦あつみ観光協会長ら大勢の地元関係者が横断幕や小旗を手に出迎え、見物に訪れた人々はシャンパンゴールドの車両をバックに記念撮影していた。午前5時に起床し両親と訪れた鶴岡市美原町の伊藤歩生君(5)は「四季島はとってもスペシャル。窓がかっこいい」と笑顔で話した。
乗客のうち16人は鶴岡駅で降り、バスで加茂水族館見学へ。15人はあつみ温泉駅で降り、萬国屋で朝風呂、チットモッシェでしな織体験を満喫した。四季島のクルーは「乗客の皆さんは加茂水族館のクラゲ観賞、温泉での朝風呂をとても楽しみにしていた」と話した。あつみ温泉出発後、乗客は車内で奥田政行アル・ケッチァーノオーナーシェフの手による庄内の旬の食材を使った朝食を堪能した。
10両編成の四季島は東京・上野駅発着。3泊4日コースは関東、東北、新潟などを巡り、庄内には毎回、最終4日目の早朝に入る。受け入れ側となる奥泉和也加茂水族館長は「第1級の旅の観光地に選ばれてうれしい。クラゲだけでなく庄内の磯釣りや魚食の文化も紹介できた。訪れた方々は『素晴らしい』と皆さん感動していた」、若松あつみ観光協会長は「乗客の方々は発信力のある人が多い。この機会にあつみ温泉の良さをアピールし、リピーターとして訪れてもらうことや全国への情報発信を期待している」と話した。
来年3月24日には2泊3日の「東日本の旬」コースで酒田駅に停車し、雛(ひな)巡り観光が行われる。