2018年(平成30年) 11月22日(木)付紙面より
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鶴岡市大網の注連寺(佐藤弘明住職)の境内にこのほど、「鉛筆碑」が建立された。注連寺の大天井画の鉛筆模画の縮小版を手掛けたマック美術研究所(東京都)代表の田中昭さん(73)が、鉛筆画のペンシルワークの普及を願うとともに、使い終わった鉛筆に感謝し納めてもらおうと建立した。
今月5日に注連寺境内で行われた建立式には、田中さんの他、ペンシルワークの第一人者で美術家の木下晋さんも参列した。木下さんは注連寺の大天井画「天空之扉」(1989年、墨絵)を手掛けており、2人の作品は拝観時に見ることができる。
鉛筆の碑は、鉛筆メーカーの創業の地の新宿区内藤町にあるほか、学校などで設けているところもある。注連寺の鉛筆碑には、えんぴつ記念日(5月2日)にちなんだ「5・2」と「ペンシルワーク」の文字が刻まれており、碑前には使い終わった鉛筆を納める所を設けている。また碑の左脇の石板には「世界各国民族を超え子供から年配者迄みんなが使っている鉛筆に感謝すると共に筆記具を超えて未だ見ぬ多様で奥の深い表現を開拓する 鉛筆は今 長い眠りから覚め日本からペンシルワークとして再出発しています」と、田中さんが建立に寄せた思いが刻まれている。
田中さんは「木下さんによって鉛筆画の大作が描かれるようになり、ペンシルワークというジャンルが確立していることを多くの人に知ってもらいたい。絵を描く人や美術部の学生など、思いがあり捨てられない鉛筆を納めてもらえれば」と語った。木下さんは「私にとって鉛筆は表現の源、商売道具であり大切なもの。ゆかりがある注連寺に碑ができたことをうれしく思う」と話した。
2018年(平成30年) 11月22日(木)付紙面より
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酒田市の平田小学校(大戸晃彦校長、児童166人)の5年生たちが20日、先進技術を導入してミニトマト栽培などを手掛けている同市漆曽根の農事組合法人「ファーム北平田」(樋口準二代表理事)のハウスを見学するなどし、地域で工夫して仕事を生み出している様子を学んだ。
県が本年度から、起業家精神の育成などを狙いにモデル的に導入した新たなキャリア教育「ベンチャーキッズ・チャレンジ事業」の一環。5年生26人が参加した。
この日、子どもたちは、ファーム北平田が昨年4月から旧北平田小跡地でミニトマト栽培に取り組んでいるハウスを見学。同組合の岡部博副組合長らから「世界で初めて調光フィルムを導入したハウスで、光を乱反射させ、夏でも気温30度を超えることがない」「普通のトマトは糖度5―6度だが、ここのはサクランボ並みの13―17度。東京のデパートで1パック500円ほどの高値で売れ、年間を通じ仕事ができる」などの話を聞いた。そして、赤く実ったトマトをその場でもぎ取って試食し、「甘い」「おいしい」と喜んだ。
岡田秀侑君(10)は「思った以上に甘く、ちょっとびっくり。農業は高齢化が進んで大変に違いないと思っていたが、さまざまな工夫をしていると感じた」と話した。
子どもたちはその後、市北平田コミュニティセンターに移動し、同組合関係者から、約450ヘクタールと大規模な稲作経営を行っている様子を聞いた。
今月27日には6年生も同様のプログラムに取り組むほか、来月初旬には国内外のラーメンイベントに出展している同市のラーメン店「花鳥風月」の佐藤勇太社長を学校に招き、講話を聞く。