2019年(令和1年) 11月7日(木)付紙面より
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「城下町・鶴岡の名工」としてたたえられる、本年度の鶴岡市卓越技能者表彰の受賞者が決まった。受賞するのは▽佐藤馨さん(63)=造園工、宝徳▽延味克士さん(51)=日本料理調理人、道田町=の2人。表彰式は21日に同市の「新茶屋」で行われる。
市卓越技能者表彰制度は旧鶴岡市が1985年、城下町・鶴岡に伝わる伝統的な技能などを尊重し、技能者の地位向上や技能水準を高めることを目的に創設した。2005年度の合併後は対象を新市域に拡大して継続。旧市時代から昨年度までに計132人の「鶴岡の名工」が受賞している。
今回が35回目。市内の関係団体から推薦を受け、有識者で組織する選考委員会が2人を選び、市が決定した。
佐藤造園社長の佐藤さんは20歳から父親の元で助手として働き始め、知識と技能を研さんし1級造園技能士、1級造園施工管理技士などの資格を持つ剪定(せんてい)技術や石選び、庭木に関する知識を発揮した美しい庭造りが高く評価されている。庄内造園業協会会長なども歴任し、業界の発展に貢献してきたほか、後進の指導にも長年取り組むなど技術の伝承にも努めている。
湯野浜温泉うしお荘支配人の延味さんは、料理人として30年以上の経験を持つ。西洋料理人として活躍した後、日本料理の魅力に引かれて技能を習得。今年5月に中国で開かれた「成都国際フードフェスティバル」に鶴岡の代表調理人として参加し、「アジア食文化プロモーション大使」の称号を受けた。県日本料理技能士会常務理事などを務め、若手調理人の育成、業界の発展にも尽力している。