2020年(令和2年) 2月14日(金)付紙面より
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鶴岡市の社会福祉法人・月山福祉会(石川一郎理事長)は障がい者施設が取り組む畜産事業として、月山麓にある庄内町放牧場(鶴岡市)でブランド牛の育成を図ることになり、事業説明会が12日、鶴岡市総合保健福祉センターにこ・ふるで行われた。
北里大学の小笠原英毅講師(40)=同大獣医学部付属フィールドサイエンスセンター八雲農場=を招いての説明会では北海道・道南の八雲町で飼育される「北里八雲牛」のノウハウが導入されることが語られた。同福祉会はクラウドファンディングで事業資金を集めたいという。
福祉法人が新たに始めようという畜産事業に県・市などの担当者らも加え30人が集まり、オーガニックビーフ・北里八雲牛が説明された。「庄内でも十分やれる可能性はあると思う。障害者にとって放牧される牛と接することは癒やし効果も望める。ぜひとも成功させてほしい」と小笠原講師は期待を寄せた。
北里八雲牛は短角牛で、有機畜産から成るおいしい赤身肉が特長。1994年肉牛事業を開始以来、ブランド化が確立されている。夏は放牧オンリー、冬は自給した牧草で畜舎で育てられている。
鶴岡市羽黒町川代にある放牧場は5年間耕作放棄となっている公共牧場で、今年4月から月山福祉会が指定管理者となる。北海道同様「夏山冬里」の方法が取られ、夏期間は牧場に生えているヒメジョオン、ヨモギ、ススキなどを食べさせ、ストレスを与えないことで、おいしい肉となるという。
同福祉会は約70人の通所者(障害者)がおり、既に短角牛飼育を始めて9年。35頭の牛を今春、牧場に放ち、将来的には150頭規模にしたい構え。維持管理にトラクター、草刈り機、軽トラック、監視用ドローンなどが必要となり、1000万円をクラウドファンディングで集めたいという。石川理事長(77)は「舎飼いと違って、放牧主体の仕事なら、通所者でも対応できると思うし、有機畜産に向け、どうぞ多くの方に協力願いたい」と呼び掛けていた。
17日にインターネットでクラウドファンディングが開始される。入金方法への申し込み・問い合わせは月山福祉会=電0235(24)8541=へ。