2020年(令和2年) 10月16日(金)付紙面より
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建設業への就業を志す地元高校生を対象にした就業体験プログラムが14日、鶴岡・田川地区で開かれた。鶴岡工業高建築科の2年生36人が、地元の若手技術者と交流しながら建設現場の見学や測量実習などを通じ、地元業界への理解を深めた。
このプログラムは県建設業協会の鶴岡、酒田各支部が2015年度から、県庄内総合支庁と連携して実施している「高校生建設業就業促進事業」。人手不足が深刻化する中、若手技術者と交流しながら地元業界への親しみと関心を高める狙い。今回は鶴岡支部青年部(部長・五十嵐大輔小野寺建設専務取締役)が中心となって企画した。
鶴岡市茅原の建設現場事務所で行われた測量実習では、高校生が4人ずつ9班に分かれ、青年部のメンバー17人から、光波などで距離・角度を測る測量機器「トータルステーション」の使い方を習った。砂利の地面のマーカー上に、三脚が付いた機器を水平に設置するのに苦労したが、青年部メンバーから「三脚の中心から小石を落とせば、真下が分かる」など現場ならでは知恵を聞き、納得顔で取り組んでいた。
佐藤柚杏さん(17)は「学校で習ったのとは違うやり方で、さすがプロだと思った。将来は建設関係の仕事に就きたいので、とても参考になる」と話した。
担当教諭によると、近年の建築科卒業生の進路は進学、地元就職、県外就職がそれぞれ約3分1ずつ。「今年は新型コロナの影響で3年生への求人数が心配されたが、今のところほぼ例年通り。生徒は地元志向がやや強まっている」という。五十嵐部長は「地元志向が強まっている今、優秀な人材を少しでも多く確保できれば」と話した。
高校生はこれに前後し、庄内総合高校(庄内町)特別教室棟改築工事の現場見学、鶴岡工業高での青年部メンバーとの意見交換なども行った。