2021年(令和3年) 4月8日(木)付紙面より
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鶴岡市立農業経営者育成学校「SEADS(シーズ)」第2期生の入校式が6日、同市千安京田の同校で行われ、いずれも非農家出身の県内外の9人(男7人、女2人)が農業者となる夢に向かい、一歩を踏み出した。
市が旧いこいの村庄内を改修して昨年4月に開校。2年制で有機農業を中心に農業技術や経営を実践的に指導している。第2期生は20―40代で、前居住地は東京都4人、北海道2人、福島県1人、県内2人。
この日は県や市、地元の高等教育機関やJAなど支援機関の関係者らを含め約30人が出席。皆川治市長はあいさつで「庄内で受け継がれてきた農業を、持続可能で若者にも魅力あるものにしていくため、有機、循環型農業を進めたい。皆さんの就農に期待している」と述べた。また、新たに就任した百瀬清昭校長(68)=元県立農業大学校長、鶴岡市羽黒町=が「スマート農業の時代といわれるが、農業の基本は農作物と対話する五感を磨くこと。五感の全てを働かせながら育て、育ち、教え、教わって」など激励した。
第1期生代表の佐藤直樹さん(49)=鶴岡市出身=が「会社勤めなら『環境が悪い』『誰々のせいで…』と言い訳もできるが、経営者になれば全て自分の責任。主体性を持ち、前向きに取り組み、チャンスを広げて」とエールを送った。
これに応え、第2期生を代表し南澤駿佑さん(26)=横浜市出身=が「さまざまな人とつながり、市の発展と地域の課題解決のため、日々の努力を怠ることなく精進し、未来に向かって成長する」と誓いの言葉を述べた。以前から農業に興味があり、東京の映像制作会社を経て昨春から大江町で果樹栽培を手伝い、就農への思いを強めたという。
また、地元の情報誌の編集に携わってきた佐藤雅彦さん(40)=鶴岡市出身=は「食材にこだわる店などを取材する中で、農業への思いを募らせた。食べ物の価値は普遍的。変化の激しい時代、そういうものとつながることが生きる力になる。園芸作物を中心に取り組みたい」と話した。
第1期生13人のうち、7人は辞め、2年次に進んだのは6人。市は本年度、新規就農支援アドバイザーを1人から2人に増員したほか、新たに百瀬校長と農業技術アドバイザー1人を迎え、実践研修の受け入れ農家を拡大するなど支援体制を拡充し、よりきめ細かい指導を行っていくという。