2023年(令和5年) 2月5日(日)付紙面より
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酒田市の酒田光陵高校(藤田雅彦校長)で3日、工業科の課題研究発表会が開かれ、3年生たちが高校での学びの総仕上げとして昨春から取り組んできたロボット技術や発電システムなど、多彩なテーマの研究成果を発表した。
旧酒田工業高の流れをくむ工業科は現在、機械制御、電気電子、環境技術の3科があり、3年生は総仕上げとして大学の専門演習(ゼミ)のように指導教諭の下、より専門的な課題研究に取り組んでいる。この日は工業科の2年生と、同校工業教育協力会を構成する地元企業の関係者らが聴講。各科単位の発表会を経て選ばれた6テーマが発表された。
このうち機械制御科の5人の発表は「バスケットボールシューティングマシンの製作」。バスケットリングの下方にこの機械を配置、ネットで回収したボールを2つのローラーを利用した射出構造で、シュート練習中の人に自動的に返すもので、「仲間と協力してモノを作る楽しさをあらためて実感した。うまくいかなかった時、その原因と改善策を突き止め、協力して完成させることができた」と報告した。
このほか、マイコンを搭載した自作の自立型ロボットによるタイムを競う「カメラマイコンカー」の高速化に向けた取り組み、同校に隣接する市光ケ丘球技場での活用を想定した、廃材を使った「得点板」の制作など、工業科ならではのユニークな発表の数々が聴講者を楽しませた。
藤田校長は「このような学習を通して変化に対応する力だけでなく、変革を起こす力も身に付けてもらいたい」と述べた。