2023年(令和5年) 2月5日(日)付紙面より
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「立春」の4日、鶴岡市大山三丁目の蔵元・加藤嘉八郎酒造(加藤有造代表取締役)で、未明に搾り上げた“縁起酒”をその日のうちに消費者に届ける限定酒「立春朝搾り」の出荷が行われた。
立春に搾った新酒を楽しんでもらおうと、1998年から日本名門酒会が全国の加盟蔵元を通じて販売している。今年県内では加藤嘉八郎酒造と寒河江市の千代寿虎屋の2蔵元が出荷した。
加藤嘉八郎酒造ではこの日午前2時半から搾りと瓶詰め作業が進められた。早朝には同名門酒会に加盟する酒販店関係者など20人が集まり、瓶に「立春朝搾り・令和五年癸卯(みずのとう)二月四日」のラベルを貼り付けた。仕上げた酒は荘内神社の石原純一宮司が無病息災や家内安全、商売繁盛、疫病退散を込めて祈祷。はらい清められた縁起酒が次々と出荷された。
加藤嘉隆取締役は「今年は米の雑味を抑えてやわらかく透明感のある味に仕上がった。柑橘(かんきつ)系のフルーティーな香りでフレッシュさも楽しんでもらえれば」と話していた。
同酒造の「立春朝搾り」は県内産の酒米「出羽燦(さん)々(さん)」で仕込み、精米歩合50%の純米吟醸生原酒に醸した。今年は720ミリリットル詰めが5749本(税込み1980円)、1・8リットル詰めが1784本(同3795円)を出荷した。