2023年(令和5年) 3月10日(金)付紙面より
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全国の大学生ボランティアによる海岸清掃活動が8日、鶴岡市の油戸海岸で始まった。山形大農学部や東北公益文科大のほか、県外の大学から学生合わせて86人が参加。10日までの3日間、庄内の各海岸でクリーン作戦を繰り広げる。
全国の大学生を対象に漂着ごみなどの海洋問題について認識を深めてもらうことがねらい。全国の大学生合わせて約2500人が加盟するNPO法人「国際ボランティア学生協会」(IVUSA=イビューサ、本部・東京都)が酒田市の東北公益文科大やNPO法人パートナーシップオフィスなどと連携し毎年実施している。今回のテーマは「活動の意味を知り、共に考え行動する」―。首都圏を中心に関東や関西から25大学の学生が集まった。
初日の8日は午前10時ごろから午後3時半まで油戸海岸でクリーン作戦を行い、漁綱やポリタンクなどの漂着物を回収した。総量は粗大ごみ、燃えるごみ、不燃ごみ合わせて約4・3トンに及んだ。
幹部を務める国士舘大4年の澤崎喜春さん(22)は「私たちの活動を多くの人に知ってもらい、漂着ごみに対する認識を深めてほしい。この問題を解決するには長いスパンで行動していく必要がある。庄内の海岸を『裸足で歩ける海岸』に少しでも近づけられるよう全員で協力し、力を尽くしたい」と語った。
油戸地域住民会長の佐藤満さん(72)は「全国の大学生の活動に心から感謝している。集まった大量のごみを処分するには行政の協力も不可欠。力を貸してもらえれば」と話していた。
2日目の9日は由良海岸に会場を移し、チームで集めたごみの重さを競う「スポごみ」が行われる。最終日の10日は湯野浜海岸で清掃活動を展開する。