2023年(令和5年) 3月22日(水)付紙面より
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鶴岡市の街づくり会社ヤマガタデザインと鶴岡工業高等専門学校が連携して取り組む「ソライスクール・ロボコン部」のロボットコンテスト(ロボコン)が19日、同市北京田の児童教育施設キッズドームソライで行われた。庄内浜に見立てたステージで、子どもたちが自作のロボットを操縦し、散らばったペットボトルやゴムボールなどを集める作業でポイントを競った。
同社と鶴岡高専は昨年7月から共同研究プロジェクトとして「庄内地域における小中学生のための高専デジタルファブリケーションによる技術教育の場の創出」に着手。市内の小学3年生?中学1年生18人が参加し、同11月にソライスクール・ロボコン部が活動を開始した。
ロボコン部では、鶴岡高専の学生約20人がロボコンに向け、子どもたちが競い合う場となるステージやロボットの機体、基本のプログラムなどを作成。子どもたちは機体とソフトウェアを組み立てたほか、ロボコンで高いポイントを得るため独自の工夫を機体に施すなどし、約4カ月かけてロボットを完成させた。
コンテストのステージは「庄内浜に散らばる漂着ごみの回収」という地域課題がテーマ。学生たちが3Dプリンターなどを駆使して全体のイメージを決め、ごみに見立てたペットボトルやゴムボールなどを配置し、実際に庄内浜から拾ってきた流木や発泡スチロール製の岩を障害物にした。
競技がスタートすると子どもたちはロボットを操縦し、5分の制限時間内で可能な限りステージ内のごみを回収。スタート地点に運んでポイントを競い合った。
競技中にごみをつかむアームが破損するなどトラブルに見舞われながらも、子どもたちは巧みにロボットを操った。アームを使わず車体でボールを転がしてスタート地点に運んだり、豪快に岩を崩して隠れたごみをつかんだりすると、見学の保護者や学生から歓声が起こっていた。
朝暘三小3年の伊藤紘大(こうた)君(9)は「アームが左右ではなく上下で挟み込むようにし、輪ゴムを付けて滑りにくくした。機体が重くなってスピードが出なくなった分、パワーが乗ったのでうまくいった」と会心の笑顔を見せていた。
競技後、1?3位と技術賞、デザイン賞などが選ばれ、各受賞者には学生たちが手作りした記念の盾が贈られたほか、参加者全員に修了証が授与された。