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2024年(令和6年) 4月20日(土)付紙面より

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飛島の魅力探しに出掛けよう

 「丸石」や「金鱗(きんりん)」とは何の事だろうか―。酒田市飛島にある「謎」の一例が、最近作成された「とびしまさんぽガイドマップ」に収められている。飛島はバードウオッチャーの聖地。県内在住の漫画家・わらびもちきなこさんが月刊誌でバードウオッチング漫画「しあわせ鳥見(とりみ)んぐ」を連載している縁で、酒田市定期航路事業所が飛島の新しい魅力発見につながるガイドマップを作った。

 酒田港から約39キロ、定期船で1時間15分の県内唯一の有人離島。対馬暖流の影響で、気候は県内で最も暖かい。ただ、訪れたことのない人も意外といる。新しいとびしまさんぽガイドマップはイラストも多く、島の事が分かりやすい。ガイドマップを道案内に、ぜひ飛島の魅力探しに出掛けてみてはどうだろうか。

◇      ◇

 1970年代、飛島は全国的な離島ブームでにぎわった。「月刊庄内散歩」(現在廃刊)というタウン誌があった。その75年6月号で飛島を特集している。島の概要は戸数186戸、人口1032人の「謎の多い島」と書いている。ウミネコの繁殖地は国の天然記念物。島には6000年前には既に人が住み、3カ所の縄文遺跡も見つかっている。

 同誌に酒田市の郷土史家、佐藤三郎氏が「飛島の海賊」と題して寄稿している。「勝浦港傍の館岩に登れば360度を見渡す。海賊は館岩の上に要塞を構え、島周辺を航行する船を襲った」などと。館岩の上には、要塞跡と言われる海に向かって築かれた「石塁(せきるい)」があり、古代の絵文字に見えるという「刻線刻画(こくせんこくが)石」がある。

 飛島には「謎」や「不思議」が多い。とびしまさんぽガイドマップでは「賽(さい)の河原にだけ丸い石があるのはなぜ?」「御積島の洞窟は金色の鱗状の岩がある!」などの不思議を取り上げている。飛島は海底火山の噴火で誕生した。そのことが分かる地質を見ることができ、落人説とつながる「源氏盛」「平家盛」があり、島中央部の「テキ穴」からは約千年前の人骨も発見されている。飛島には不思議がいっぱいある。

◇      ◇

 飛島は渡り鳥の中継地であることで、県内で観測される野鳥の約7割を見ることができ、渡りの季節には大勢のバードウオッチャーがやって来る。わらびもちきなこさんの作品は女子大学生が、飛島での野鳥観察「鳥見」に魅了される様子を描いており、市定期航路事業所が「観光振興と定期船の利用者増につなげたい」と、ガイドマップの製作に協力を依頼した。

 飛島はこれから色鮮やかな花々が咲く観光シーズンを迎える。定期航路事業所は、今月27日から5月31日まで、小学生と幼児に限り、定期船「とびしま」乗船料の無料キャンペーンを実施する。この機会に島を散策し、不思議や謎を探してみるのも、郷土を知る生きた学習になる。

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