2009年(平成21年) 8月28日(金)付紙面より
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庄内地域産業振興センター(理事長・富塚陽一鶴岡市長)は、特産の庄内柿の果汁を使って試作したラーメンと麦きりのテスト販売を行う。ラーメンは「ざる中華」にして鶴岡市上名川の米の粉の滝ドライブインで29、30の両日に各日限定20食を販売し、乾麺(めん)の麦きりは29日から同市馬場町の物産大店「でがんす」で限定300袋を販売する。
同センターは昨年度に県の助成事業の採択を受け、庄内柿の果汁100%ジュースの開発とともに、このジュースを活用した麺や菓子などの試作を進めてきた。庄内地域の農産物を代表する「庄内柿」の規格外品の有効活用を図り、生産振興に結び付けようとする取り組み。
麺類は庄内たがわ農協や同市内の製麺業者の協力で試作を進めた。未脱渋の庄内柿ジュースを、麺の材料となる小麦粉の重さに対して3―5%を練り込んだラーメンと麦きりを開発。柿の渋み成分のタンニンによるタンパク質の凝固作用で、コシが強い麺に仕上がった。
テスト販売は、商品化に向けた市場調査の一環で実施する。ざる中華は1食500円で提供し、乾麺の麦きりは200グラム入り1袋を105円で販売する。購入者を対象に、「のど越し」「食味」「弾力」などを尋ねるアンケートへの協力を依頼し、商品化への参考とする。
庄内柿果汁入りラーメンと麦きりについて、同センターの担当者は「特産の庄内柿のブランドイメージアップに向けた取り組みの1つ。果汁を練り込んだ麺は、色と食味は通常のものと変わりないが、コシが強い特徴がある。テスト販売で購入者の声を聞き、新たな商品の開発につなげたい」と話す。問い合わせは同センター=電0235(23)2200=へ。
テスト販売される庄内柿果汁入りのざる中華
2009年(平成21年) 8月28日(金)付紙面より
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鶴岡市羽黒町の出羽三山神社の山伏修行「秋の峰」が26日、羽黒山、月山を舞台に始まり、修験者たちが1週間の荒行に入った。
山伏修行は出羽三山の開祖・蜂子皇子による「羽黒山古修験道」が始まりとされ、連綿と受け継がれている。中でも「秋の峰」は一般に門戸を開いている最大のもの。今年は北は北海道から南は福岡県まで、19歳から79歳までの男性158人が入峰(にゅうぶ)した。
初日の26日は、正午すぎに手向地区の下宿を出発し、新しい生命が宿るとされる「梵天投じ」の儀式などを行い、随神門から石段を登り羽黒山頂を目指した。この日は初秋のさわやかな天気となり、山中は観光客の姿も目立ち、紺地の衣装を着た山伏の列を珍しそうに写真に収めるなどしていた。
いずれも初めて参加したという鶴岡市の会社員男性(35)は「以前から興味があった。地元を知る機会にしたい」、村山市の男性(70)は「古希の記念で参加した。人生を見つめ直してみたい」とそれぞれ話していた。
一行は9月1日まで1週間にわたり、羽黒山中の「峰中堂(ぶちゅうどう」」にこもりながら、月山山頂や東普陀落などの拝所を巡る山駆け、断食、トウガラシなどをいぶした煙の中に居続ける「南蛮いぶし」など、一度死に山中で再び生まれ変わるという「擬死再生」の荒行を積む。
「秋の峰」が始まり、五重塔などを通って羽黒山頂を目指す修験者たち=26日