2016年(平成28年) 10月5日(水)付紙面より
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鶴岡市のNPO法人豊かな海の環境をめざすおけさ会(粕谷雅昭代表)は2日、同市三瀬の県栽培漁業センターでクロダイの稚魚の標識作業(腹びれ切除)と、同市の米子海岸など温海地域3カ所への放流活動を行った。
同会は釣り愛好者で1974(昭和49)年に結成した「おけさ会」が前身。結成時から毎年、磯釣り大会を開催するほか、30年ほど前からクロダイの稚魚の放流活動を実践。2005年にNPO法人となって以降は県や市の委託で放流事業に取り組んでおり、庄内浜での清掃活動など海の環境や漁業資源の保全に力を入れている。クロダイ稚魚の標識放流は、実態調査を兼ね3年前から県の「水産多面的機能発揮対策事業」の委託を受けて行っている。
この日は会員と家族の小学生ら約30人が参加。県栽培漁業センターでふ化し、体長約5センチに成長した約1万匹の稚魚の左側の腹びれを、1匹ずつ丁寧にはさみで切除した。腹びれは1年ごとに左右交互に切除しており、釣り人から釣具店などに報告してもらうなどして成長具合や生息場所などを調査している。
作業後は、同センターから米子漁港に移動して、砂浜の波打ち際で子どもたちが放流。稚魚が入ったバケツを手に約3500匹を海に放した。初めて参加したあつみ小5年の佐藤洋斗君(11)は「腹びれを切るのは、最初はとても大変だった。クロダイの生態も教えてもらい、どんなふうに大きくなるのか知った。川が汚れるとクロダイが海にすめなくなると聞き、川もきれいにしなければならないと思った」と話し、環境保全の大切さを学んでいた。
標識稚魚はこの日、同漁港のほか浜温海と鼠ケ関海岸にも放流された。
2016年(平成28年) 10月5日(水)付紙面より
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友好都市の盟約を結ぶフランス領ニューカレドニア・ラフォア市の中学生訪問団(中学生15人、教師4人)の一行が鶴岡市を訪れ3日、榎本政規市長を表敬訪問。「羽黒山に登るのが楽しみ」など8日までの滞在期間の期待などを述べた。
ラフォア市はニューカレドニアの中心都市ヌーメア市の北西約115キロ。鶴岡市とは1995年に友好都市の盟約を結び、中学生の相互訪問を中心に交流を深めている。
今回は2年ぶりの来鶴で、中学校教師のメテ・ロランスさんを団長に、中学生は第二外国語で日本語を専攻する14―16歳。2日に来日し、東京見学を経て3日に鶴岡に到着。鶴岡・ラフォア友好協会(黒井秀治会長)が受け入れに協力しながら、市内の中学生がいる10軒の家庭へのホームステイ(3泊)、羽黒山登山や鶴岡一中での交流、お茶や御殿まり製作などの日本文化に触れる。
この日は午前9時半すぎに大勢の市職員に迎えられ、一行が到着。榎本市長は「鶴岡の歴史や文化に触れ、出会いを大切に友情を深めて」と歓迎の言葉。メテ団長は「太平洋から世界へ、異文化との交流を肌で感じるチャンス。同じ人間としての価値を感じる機会に」とあいさつした。
記念品の交換などに続き、生徒たちが楽しみにしていることを日本語で発表。「最上川の川下り」「中学校へ行くこと」「新しいことを何でも知りたい」など少しはにかんだ様子で抱負を述べた。
6日からは女性市長のヴォアザン・コリーヌ氏を団長にした現地の友好協会や小学生ら30人の訪問団が来鶴(11日まで)。7日にはラフォア市・鶴岡市盟約20周年記念祝賀会が行われる。