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2023年(令和5年) 10月5日(木)付紙面より

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洋上風力 遊佐町沖「促進区域」に 酒田市沖「有望な区域」指定

 洋上風力発電の導入に向けた検討が進む遊佐町沖について経済産業省と国土交通省は3日、再エネ海域利用法に基づき発電事業者の公募・選定など具体的な手続きが可能となる最終段階の「促進区域」に、同じく導入に向けた検討が進む酒田市沖について両省は、その前段階にあたる「有望な区域」にそれぞれ指定した。酒田市沖は今後、同法に基づき国や県、市、漁業関係者らによる法定協議会が設置される。

 全国的な洋上風力発電導入機運の高まりを受けて県は2018年、「県地域協調型洋上風力発電研究・検討会議」と「遊佐沿岸域検討部会(遊佐部会)」を設立して議論を開始。「海洋再生可能エネルギー発電設備整備促進区域指定ガイドライン」に基づき両省は20年7月、事業開始に必要な3段階のうち最初の段階となる「一定の準備段階に進んでいる区域」に遊佐町沖を選定した。

 早期に促進区域に指定できる見込みがあり、より具体的な検討を進める区域を2段階目となる「有望な区域」としており、遊佐町沖は21年9月に指定。これを受け昨年1月、国や県、町、漁業関係者らが法定協議会を設置。これまで協議会を4回開き今年3月、「促進区域として指定に異存はない」という意見に同意。その後、有識者による第三者委員会の意見を踏まえ、同法が定める促進区域の基準に適合することを確認した。両省は先月1日、「促進区域」指定案を公告し、同15日まで縦覧を行って意見を受け付けた。

 遊佐町沖は着床式。想定海域は漁業関係者からの要望を受けて海岸線から1カイリ(約1・8キロ)離れており、南北約8・3キロ。選定された事業者は同法に基づき、最長30年間の海域占有が認められる。

 一方、酒田市沖は遊佐町沖同様、風況がよく、海底地質がおおむね砂地と推測されるなど自然条件が良好。市は20年8月、地域経済活性化に向け、県に対して酒田市沖への洋上風力発電早期導入、港湾法に基づく酒田港の「拠点港湾(基地港湾)」指定に向けた取り組み強化を要望。これを受けて県は、酒田市沖でも洋上風力発電の事業化を目指すことにし、昨年2月に「酒田沿岸域検討部会(酒田部会)」を設置、これまで協議を重ねてきた。

 今回の「有望な区域」指定に合わせ酒田市沖は、エネルギー・金属鉱物資源機構(JOGMEC)による洋上風力発電の基本設計に必要な風況や海底地盤に関する調査の対象区域に選定された。両省によると、来年度から調査が開始されるという。


「地域に幅広い効果」「不安払拭に努める」

 今回の指定を受け、吉村美栄子県知事は「地域・漁業との共存共栄の考えの下、導入によって産業振興や雇用確保が進み、若者の定着、移住・定住など地域の幅広い分野に効果が及び、地域活性化、本県の発展につながるよう地域の皆さんと連携し、丁寧に取り組んでいく」とした。

 「促進区域」指定について時田博機遊佐町長は「遊佐町沖での事業が本格的にスタートするものと実感。その一方で超低周波音の影響や景観など事業に多くの心配や不満の声が寄せられており、不安の払拭に努めたい」、「有望な区域」指定に関して矢口明子酒田市長は「先進地の議論を注視しつつ、本地域で発電される再生可能エネルギーを地域や市民が利用できる仕組み、その利用による新たな産業の創造などと、環境や景観などへの影響の双方がバランスよく議論されていくことを期待する」とコメントした。

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