2025年5月25日 日曜日

文字サイズ変更



  • プリント用表示
  • 通常画面表示

荘内日報ニュース


日付の新しい記事へページを移動する日付の古い記事へ
  • ニューストップ
  • 最新記事
  • 戻る

2023年(令和5年) 11月22日(水)付紙面より

ツイート

地域活性化は日沿道の完成こそ

 政府の方針が示されてから36年、建設工事は進んでいる。しかし進み具合が遅いと思えてならない。「日本海沿岸東北自動車道(日沿道)」のこと。新潟から青森まで、日本海側を走る「国土開発幹線自動車道(国幹道)」と位置付けられているが、山形県の南と北の県境はまだ工事中だ。

 先頃、日沿道の早期全線開通と、JR羽越本線の高速化・羽越新幹線実現を訴える山形・秋田・新潟3県沿線市町村の促進大会が東京で開かれた。日沿道促進大会は26回目、息の長い運動で成果は前進しているが、求められるのは日本海側の幹線道路の一日も早い完成。国家予算が伴う事業だが、均衡ある国土軸を整備するため、政府には思い切った予算措置を講じてもらいたい。

◇      ◇

 かつて高速交通網の整備が遅れた庄内を、地元では「陸の孤島」と呼び、その解消を目指して高速網の整備運動に立ち上がった。今は庄内空港ができ、一部は月山を越える高規格道路を経て東北自動車道とつながった。残すは「日本海側の国土軸」となるべき、高速道路の日沿道である。

 国道7号は物流の動脈。しかし自然災害があれば代替道路がない。2006年7月、鶴岡市小岩川で羽越本線の斜面が崩落、線路の25メートル区間が土砂で埋まり、海側を並行して走る国道7号も40時間余、通行止めになった。迂回(うかい)路は国道113号などがあったが、かなりの遠回りになる。物流とライフラインを守るためにも、災害に強い道路(線路も)で輸送ルートを確保しなければならない。

 日沿道の早期整備は、物流と併せて救急搬送時間の短縮と安定走行による救急車内での応急措置もスムーズになり、救命率の向上につながる。さらに日沿道が開通すると、あつみ温泉では観光客が大幅に増えると予測されている。1925(大正14)年、羽越本線の開通で同温泉への来客数は大幅に増えた。来客数の25%は新潟県からで、観光振興面でも高速道や鉄道の整備促進は重要なカギを握ることになる。

◇      ◇

 東日本大震災後、交通インフラリスクを分散させるため、バックアップシステムの必要性が強調された。日沿道は新潟・秋田両県境で工事中だが、災害に強い国土づくりを目指す上で、日本海沿岸の防災と災害対応を強固にするため、日沿道の全線開通は急務。政府によれば22年度の国の税収が増えた。となれば事業推進の好機であろう。

 日沿道などの促進大会が開催された頃、国土交通省「地域の公共交通リ・デザイン(地域公共交通の再構築)」実現会議が都内で開かれ、吉村美栄子知事は山形新幹線整備のため、米沢―福島間の「米沢トンネル(仮称)」の整備を国交大臣に訴えたという。地方の高速交通網は整備しなければならない。併せて日沿道と羽越新幹線整備も、より力を入れてもらいたい。

画像(JPEG)



日付の新しい記事へページを移動する日付の古い記事へ

記事の検索

■ 発行月による検索
年  月 

※年・月を指定し移動ボタンをクリックしてください。
※2005年4月分より検索可能です。

  ■ キーワードによる検索
   

※お探しのキーワードを入力し「検索」ボタンをクリックしてください。
※複数のキーワードを指定する場合は半角スペースを空けてください。

  • ニューストップ
  • 最新記事
  • 戻る
ページの先頭へ

ニッポー広場メニュー
お口の健康そこが知りたい
気になるお口の健康について、歯科医の先生方が分かりやすく解説します
鶴岡・致道博物館 記念特別展 徳川四天王筆頭 酒井忠次
酒井家庄内入部400年を記念し、徳川家康の重臣として活躍した酒井家初代・忠次公の逸話を交え事績をたどる。
致道博物館 記念特別展 第2部 中興の祖 酒井忠徳と庄内藩校致道館
酒井家庄内入部400年を記念し、庄内藩中興の祖と称された酒井家9代・忠徳公の業績と生涯をたどる。
致道博物館 記念特別展 第3部 民衆のチカラ 三方領知替え阻止運動
江戸幕府が3大名に命じた転封令。幕命撤回に至る、庄内全域で巻き起こった阻止運動をたどる。
致道博物館 記念特別展 第4部 藩祖 酒井 忠勝
酒井家3代で初代藩主として、庄内と酒井家400年の基盤を整えた忠勝公の事績をたどる。
致道博物館 記念特別展 第5部 「酒井家の明治維新 戊辰戦争と松ケ岡開墾」
幕末~明治・大正の激動期の庄内藩と明治維新後も鶴岡に住み続けた酒井家の事績をたどる。
酒井家庄内入部400年
酒井家が藩主として庄内に入部し400年を迎えます。東北公益文科大学の門松秀樹さんがその歴史を紹介します。
続教育の本質
教育現場に身を置く筆者による提言の続編です。
教育の本質
子どもたちを取り巻く環境は日々変化しています。長らく教育現場に身を置く筆者が教育をテーマに提言しています。
柏戸の真実
鶴岡市櫛引地域出身の大相撲の元横綱・柏戸の土俵人生に迫ります。本人の歩み、努力を温かく見守った家族・親族や関係者の視点も多く交えて振り返ります。
藤沢周平の魅力 海坂かわら版
藤沢周平作品の魅力を研究者などの視点から紹介しています
郷土の先人・先覚
世界あるいは全国で活躍し、各分野で礎を築いた庄内出身の先人・先覚たちを紹介しています
美食同元
旬の食べ物を使った、おいしくて簡単、栄養満点の食事のポイントを学んでいきましょう
庄内海の幸山の幸
庄内の「うまいもの」を関係者のお話などを交えながら解説しています

株式会社 荘内日報社   本社:〒997-0035 山形県鶴岡市馬場町8-29  (私書箱専用〒997-8691) TEL 0235-22-1480
System construction by S-Field