2025年(令和7年) 4月19日(土)付紙面より
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鶴岡市の致道博物館(酒井忠順館長)の企画展「ドラマティック書画」が18日に同館で始まった。「なぜその作品は生まれたのか」「どのような作者の思いが込められているのか」など絵画や書跡を歴史的、文学的な面から捉え、一筆一色に託されたドラマやストーリーを楽しむ主旨で、初代庄内藩主・酒井忠勝公が譲り受けた名品の書や、中国故事を題材にした日本画など約30点を展示している。
報道機関向けの内覧会が17日に同館で行われ、学芸員が各作品について解説。このうち中国・宋代の無準師範の手による書「潮音堂」(致道博物館所蔵、国指定重要文化財)は、無準師範が日本の寺に贈り東福寺の普門院を経て江戸初期の大名茶人・小堀遠州が所持していた。庄内藩士がまとめた随筆「大泉百談」には書に一目ぼれした庄内藩主酒井家三代忠勝公が、遠州に3000両を支払い強引に譲ってもらった逸話「一字千金」が残されている。
このほか酒田市に生まれた画僧・市原円潭の筆による「閻魔大王八大地獄図」(鶴岡市・常念寺所蔵)や、狩野元信筆「酒伝童子絵巻」の模写本「酒天童子絵巻」(致道博物館所蔵)など、さまざまな歴史や逸話を秘めた書画が並んだ。
展示は6月16日(月)まで。開館時間は午前9時から午後5時で、毎週水曜は休館日。観覧料は一般1000円、高校・大学生400円、小中学生300円。展示期間中の4月26日(土)と5月17日(土)に同館学芸員のギャラリートークが行われる。申し込み不要で両日とも午後2時から。
また、5月31日(土)と6月1日(日)に山形大学士課程基盤教育院の佐藤琴教授が同館で記念講演を行う。時間は両日とも午後2時から。同館への事前申し込みが必要。問い合わせは同館=電0235(22)1199=へ。