2025年(令和7年) 4月19日(土)付紙面より
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山形県と県警察本部は「自転車ヘルメット着用推進モデル校」に私立高校としては初めて鶴岡市の羽黒高校(加藤和司校長)を指定した。16日に県警交通企画課の藤島直弘課長が同校を訪れ、生徒代表に交付書を手渡した。今後、自転車ヘルメット着用率の向上に向けて生徒自ら啓発活動を行う。
昨年11月1日、道路交通法の改正で危険な自転車運転に罰則が適用された。スマホの「ながら運転」は最長1年以下の懲役または10万円以下の罰金、酒気帯び運転の場合は3年以下の懲役または50万円以下の罰金が科される。ヘルメットの着用は努力義務だが県と県警では広く県民に「命を守る重要性」を呼び掛けている。
「推進モデル校」制度は昨年にスタートした。山形南、村山産業、新庄北、米沢興譲館、鶴岡中央の5校を指定し、今年度は新たに羽黒高校と山形中央、山形市立商業の3校を加えた。羽黒高校はソフトテニス部の男子生徒が率先して自転車運転のヘルメット着用を心掛けていることが評価された。
交付書を受けた生徒会長の佐藤璃枝(りえ)さん(3年)=鶴岡五中出身=は「基本的に私たちはスクールバスで登下校しているが、自転車に乗る場合は面倒くさいとか、髪が乱れるからなどと嫌がらずヘルメットを着けたい。今後、どのように啓発していくかみんなで話し合いたい」と話した。
男子ソフトテニス部の部長を務める日野莉大(りょうた)さん(3年)=新潟・巻東中出身=は「学校から約3キロ離れた練習場所に行くのに自転車を使っているが『まず命を守ることが一番大事』とヘルメットを着用することにした。高校生の着用率はまだ低いので安全意識がより高まるよう努力したい」と語った。
県警によると、県内の自転車ヘルメットの着用率は10・2%。全国平均の17%と比べて低い。このうち高校生の着用率は2%にとどまっている。