2025年(令和7年) 4月23日(水)付紙面より
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全国で最も長い歴史を持つ、本県唯一の海洋少年団「酒田海洋少年団」(酒田市、鈴木兵一団長)。1951年の設立以来、本年度初めて当初の新入団員がゼロとなった。長年にわたって団活動を見守ってきた鈴木団長(77)=同市こがね町二丁目=は「全国的に団員が減っている。各種イベントへの参加、メディアを通したPRなどで団活動を積極的にアピールし、広く市内外の子どもたちに入団を促していきたい」と話している。
酒田団は1951年7月、日本海洋少年団連盟の発足とともに設立。その時から休止することなく、一貫して団が存続しているのは全国で酒田、横浜、神戸の3団のみ。鈴木団長によると、設立初期には約400人もの団員が所属。海洋少年団の全国大会が酒田で開催された86年度は240人ほどが活動、全国の仲間をもてなしたという。「設立当時は塾や習い事、スポーツ少年団が少なかったこともあり、海洋少年団に入団する子どもたちが多かった。近年の団員減少は少子化とともに、子どもたちが忙しすぎるのが要因では」(鈴木団長)と話す。近年の新入団員数は3―5人程度となっていた。
本年度当初の団員はいずれも継続で小学2年―高校3年の17人。19日に市総合文化センターで進級式が行われ、団員とともに関係者、保護者らが出席。団員一人一人の名前が呼ばれた後、「海のような広い心で、団結し、全ての人を友とします」とする「ちかい」や▽名誉を重んじます▽人を助け親切です▽礼儀を正しく守ります―などの「やくそく」を元気に唱和した。
鈴木団長は「海をフィールドに心と体を鍛えるという団の活動を広めていきたい。結索など自ら持っている知識・技能を友人に伝えてほしい」と式辞。赤坂宜紀教育長、沼澤勇一東北運輸局山形運輸支局次長、相川武司酒田海上保安部長が祝辞を述べた。
酒田団は引き続き団員を募集している。対象は小学1年―高校3年の男女。活動は原則として毎週日曜日午前。市総合文化センターを拠点にロープワークやカヌーといった訓練を行う。鈴木団長は「あらゆる形で訓練に関するノウハウを蓄積し、体の不自由な子どもの参加も可能。入団は随時受け付けており、興味がある子どもがいたらぜひ」と話している。問い合わせは鈴木団長=電090(3367)2638、事務局の市教育委員会社会教育課=電0234(24)2993=へ。