2025年(令和7年) 4月24日(木)付紙面より
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鶴岡市の羽黒小学校(八渡宗一郎校長)で新種の可能性がある「変種のコブシ」の花が咲いた。南庄内で植生を調べている大類雄一さん(76)=鶴岡市青柳町=が羽黒町川代山で見つけ、挿し木をして育てたもので2年前に同校へプレゼントした。開花に子どもたちは「これからもすくすくと大きくなって、いっぱい花をつけてほしい」と喜んでいる。
大類さんが変種のコブシを見つけたのは2014年の春。サクラソウを探していた際、偶然にコブシと酷似した紅色の花を咲かせている大木を発見した。当時は「シデコブシとモクレンか何かが自然交配したものだろうか」と考えたが、他の有識者の知見を得て新種の可能性が高いことが分かった。標本用に枝の一部を採取。自宅の庭で挿し木にしたところ根付いた。
「このまま自宅で育てていてもしょうがない。見つけた地域の小学校へ贈り、教材として役立ててもらおう」と大類さんが羽黒小に話を持ちかけ2年前、子どもたちや教諭と一緒に2本の苗木をグラウンドの隅に植えた。
苗木の高さは約1メートル50センチ。当時より少しだけ幹が太くなり今月15日前後、淡いピンク色の花びらを広げた。今は8輪が咲いている。
児童委員会の委員長を務める齋藤凛花さん(6年)は「気付いたら咲いていた。とても貴重な広葉樹と教わったので、これからも大切にしたい」と笑顔を見せた。
大類さんは「この地域に原木(変種のコブシ)があること自体、希少価値が高い。まずは贈った苗木が順調に育っているようなので良かった」と話した。