2025年(令和7年) 4月27日(日)付紙面より
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東北公益文科大学(酒田市、神田直弥学長)の学生有志が、「YATA―COLA」などクラフト飲料製造・販売に携わるティーズファクトリー(鶴岡市、鈴木俊将社長)と共に取り組んだクラフト飲料「YataGinger Apple(ヤタジンジャー・アップル)」。好評を得ているこの商品と地酒、炭酸を組み合わせるなどしたアルコール飲料が公益大生らの手によって完成し、酒田市の光の湊A棟内レストラン「月のみち」で取り扱いを始めた。
先月に販売がスタートしたヤタジンジャー・アップルは、公益大生と同社、同レストランを運営する月見(酒田市、白旗夏生社長)、歌舞伎役者の中村橋吾さん(鶴岡市出身)、黒森歌舞伎一座・妻堂連中(五十嵐良弥座長)が連携し完成にこぎ着けたもの。リンゴ特有の優しい味わいが特長で、鈴木社長によると、酒田、鶴岡両市の観光施設などで取り扱い早速、人気商品になっているという。
同レストランのメニューリニューアルに合わせ、この商品を使った新たなアルコール飲料を開発するため、公益大生が再び協力。広崎心教授(商品開発、マーケティングなど)の専門演習(ゼミ)で学ぶ4年の佐藤凜さん(21)、五十嵐舞さん(21)、3年の河合陽南乃さん(20)、松田憲教授(応用言語学など)のゼミに所属し今春に豪州留学を経験した池田青華さん(21)=4年=が、伊藤優さんら月見スタッフと共に「八咫烏(やたがらす)プロジェクト」と銘打ち取り組んだ。
ターゲットは「女性など日本酒初心者」「インバウンド」。この商品が持つフルーティーさを生かし、合わせる地酒として辛口、甘口、旨口から純米大吟醸「初孫黒魔斬」(東北銘醸)、同「楯野川清流」(楯の川酒造)、昨夏の豪雨災害で被害に見舞われた麓井酒造に対する支援に向けて純米吟醸「麓井吟醸雄町」をセレクト。学生たちは同商品と地酒、炭酸の配合を検討するとともに、和文・英文による説明用紙を作成した。商品名はプロジェクト名をそのまま採用し、「八咫烏」とした。
同レストランで23日に発表会が行われ、広崎教授と伊藤さんが開発に至った経緯を紹介。学生リーダーを務めた佐藤さんは「日本酒になじみがない人でも『これはおいしい』と感じてもらえるはず。地元企業の皆さんと共に『形』を作り上げていくという貴重な体験ができたことを誇りに思う」と。すっきりした味わいの炭酸入り八咫烏は3種とも1杯900円。炭酸なしの飲み比べセットは3種で1600円。いずれも月のみちで味わうことができる。