2025年(令和7年) 4月30日(水)付紙面より
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酒田南高校(齋藤法明校長)のグローバル専攻で学ぶ生徒たちによる研究発表会が26日、酒田市の同校南千日町キャンパス講堂で行われた。「What is Academic English?―『英語を身につける』ってどういうことだろう」をテーマに昨年来、取り組んできた学びの成果を披露した。
生徒たちは昨春以降、同専攻独自の教科横断型学習「全員セッション」で年間を通し、英語の習得法など自ら抱いたさまざまな疑問に対して文献を読み、映像を鑑賞し、多くの議論を交わしながら理解を深めてきた。この日は2、3年生10人が2人ずつ5グループに分かれてそれぞれ、これまでの学びを披露した。
「母語の獲得と第二言語の習得は何が違うのか」のテーマで発表した3年の女子生徒2人は、母語を「子どもが生まれて最初に身に付けた言葉」、第二言語を「母語と同じレベルに身に付けたい言葉」とそれぞれ定義した上で、「母語はコミュニケーションを取る手段として獲得。第二言語は習得することが目的で、自分から学ぼうとしないと触れる機会が少ない」と。第二言語習得に関し米国の言語学習、スティーヴン・クラッシェン氏が唱えた「情意フィルター」(学習者の感情的要因が言語習得過程に与える影響)を紹介し、母語を土台に学びの「入り口」をつくることの必要性を説いた。
会場には多くの保護者らが訪れ、自らの意見・考えを堂々と発表する生徒たちの姿に目を細めていた。専攻を指導する菅谷正芳教諭は「分からないから誰かに任せるではなく、どんな答えがあり得るか考え続けたいと思う。考え続けることこそが答え」と話した。今後、1、2年生は新たなテーマの研究、3年生は「卒研」に取りかかる。