2025年(令和7年) 5月1日(木)付紙面より
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酒田市黒森の黒森日枝神社で29日、春の例大祭が行われ、地区に伝わる県指定無形民俗文化財「黒森歌舞伎」の一座・妻堂連中(五十嵐良弥座長)の若手役者が「白浪五人男」に扮(ふん)して山車に乗り、地区内を触れ回った。
例大祭の渡御行列として毎年実施している。例年は翌年の正月公演(2月15、17日)で演じる本狂言の登場人物に地元・黒森小児童が扮し山車に乗って触れ回るが、あいにくの降雨のため中止となった。
この日は午後0時半ごろから神輿(みこし)を先頭に山車が神社を出発。「青砥稿花紅彩画(あおとぞうしはなのにしきえ)」に登場する日本駄右衛門と弁天小僧菊之助、忠信利平、赤星十三郎、南郷力丸の盗賊五人組「白浪五人男」に扮した若手役者に、傘を差して沿道に集まった地区民からは「かっこいいぞ」という声が盛んに飛んでいた。
来年の正月公演の演目は、2005年以来、21年ぶりの上演となる「加賀見山旧錦絵(かがみやまこきょうのにしきえ)」。五十嵐座長は「『女忠臣蔵』とも称される演目で、女形(おやま)が主役。近年、女形が充実していることもあって良い演目になった。来年も面白い場面を披露したい」と話している。