2025年(令和7年) 5月1日(木)付紙面より
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今年で創立50周年の節目を迎える酒田市の琢成小学校(小松泰弘校長、児童165人)は、記念事業の一環で東京の教育団体・まなびぱれっと(小泉志信代表理事)、同校PTA(新田道隆会長)と共に約1年をかけ、児童に対するアントレプレナーシップ(起業家精神)プログラムを展開する。小松校長は「節目に当たり、子どもたちに物より事を残してあげたい」と話した。
まなびぱれっとは、鎌倉市教育委員会教育文化財部に所属する小泉代表理事が中心となり、2021年に設立した一般社団法人。「せんせい」と「みんな」が安心し混ざり合う未来に向け、教育関係者向けオンラインサロン「キャンバス」などを通して教育に関わる人々のコラボレーションを促進している。23年度に都内の小学校で実践した「1000人の大人と出会い人生設計を考える探究学習」は大きな注目を集めた。
琢成小はこれまでも地元企業・商店街と連携しながら教育活動に取り組んできた。節目に当たって小泉代表理事の起業家兼教育者としてのノウハウ、学校現場で教諭が取り組んできた探究学習を組み合わせ、児童たちから起業家への第一歩を踏み出す「きっかけ」にしてもらう。酒田市の東京拠点・SHIBUYAQWSを活用したマッチング事例で、プログラムには酒田市教委、市産業振興まちづくりセンター・サンロクも参画する。
28日に琢成小で調印式が行われ、小泉代表理事と小松校長が契約書にそれぞれ署名し、取り交わした。小松校長は「新たな学びを子どもたちに提供したい。生きていくために必要な力を養ってもらえたら」、小泉代表理事は「地方における教育の在り方の一つのモデルになれば。将来に向かう子どもたちの背中を押してあげたい」とそれぞれあいさつした。
PTAや地域と連携しながら同法人は同校教諭と毎月、研修を実施、生活科・総合学習を中心としたカリキュラムの作成・マネジメントなどを行う。7月11日(金)には「琢成アントレの日」と銘打ち、児童が起業家・教育者と触れ合いながら自らのアイデアを形にしていく体験をする。