2025年(令和7年) 5月4日(日)付紙面より
ツイート
酒田市は、積極的な水防活動への取り組みを担う市水防協力団体として、下水道や揚排水機場などの施工・管理事業を手掛けるテイデイイー(同市京田二丁目、園部孝男代表取締役)を指定し28日、認定書交付式が行われた。東北地方初となる指定で、同社は今後市水防団などと連携・協力し水防広報活動のほか、有事の際の情報提供、資機材提供などを行う。
水防協力団体制度は、地域の水防力強化を目的に水防に関する普及啓発活動や災害時の後方支援などを行う民間企業やボランティア団体などを市町村が指定する制度で、国土交通省が2005年の水防法改正により創設。昨年5月時点では全国で37団体が指定されているが、東北地方ではこれまで指定がなかったという。
同市では昨年7月末に発生した豪雨災害の際、水防団員を兼任している消防団員らの稼働限界といった課題が浮き彫りとなり、官民連携で水害対策・被害軽減に取り組むため同制度に着目。日頃から市内の浸水センサーなどの管理を行っており、水防協力団体に関する自治体向け説明会への参加や国土交通省認定「流域治水オフィシャルサポーター」認定実績のある同社とマッチングした。認定は4月18日付。
交付式は市役所で行われ、同社の園部慶子取締役ら3人が訪問。矢口明子市長は「専門知識のある企業の協力が得られることはとても心強い。これを機に住民・企業の水防関心が高まってくれたら」と期待を述べ、認定書を手渡した。
園部取締役は「水に関わる会社としてできることを一つ一つ積み重ね、地域貢献の手助けとなれば」と抱負を話した。