2025年(令和7年) 5月9日(金)付紙面より
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酒田海上保安部(相川武司部長)は7日、海に転落した高齢男性を助けた2人の漁師に感謝状を贈った。
感謝状を受けたのは、いずれも鶴岡市小波渡の漁師で佐藤久見(ひさみ)さん(78)と今野正伸さん(75)。先月10日午前10時半ごろ、小波渡の沿岸でワカメ漁をしていた磯見漁師の80代男性が自分の船のロープにしがみついてこらえているのを佐藤さんが見つけた。近くにいた今野さんに知らせ2人で男性を海から引き揚げた。船に乗せて港までえい航する際、今野さんが119番通報。駆け付けた救急車とドクターヘリをつないで病院に搬送した。
当時の海水温は12度。男性は低体温症になっていたが、2人の適切な行動で命を取りとめた。その後の調べて男性はテトラポットから誤って足を滑らせ海に落ちたことが分かった。
この日、鶴岡市由良一丁目の県漁協由良支所で行われた贈呈式で酒田海保の相川部長が「迅速で的確な対応が男性の命を救った。深く感謝したい」とお礼の言葉を述べた。
民間ボランティア団体の「県水難救済会豊浦救難所」に所属する佐藤さんと今野さんは「転落した磯見漁師は古くからの仲間で私たちの先輩。救出した当時、かろうじて意識はあったが低体温で話せる状態ではなかった。何よりも元気に回復して良かった」と話した。