2025年(令和7年) 5月11日(日)付紙面より
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アンコンシャス・バイアス(アンコン、無意識の思い込み)に関するエピソードを四コマ漫画形式で紹介する企画展「これアンコン!」が、酒田市の酒田駅前交流拠点施設ミライニ光の湊共有ロビーで開かれ、市民の関心を集めている。
「日本一女性が働きやすいまち」を目指す市の取り組みの一環で、個々人の偏見に気付き、向き合うきっかけづくりになることを目的に企画。市は2024年度、アンコンシャス・バイアスだと感じた体験談を募集。市内外の男女計70人から寄せられた101点の中から、厳選した19点をイラストを交えた漫画形式で紹介している。
▽息子が学校の図書館でプリンセスの本を読んでいたら、同級生から「それは女子が読む本だよ」と言われた▽ロシア人の友人が中国語を話すことに違和感を持たれることがある▽初対面の同年代女性と共通の話題を探そうと「お子さんおいくつですか」と尋ねたら「子どもはいないんです」と返答があり、反省した―など、性別のほか国籍、年齢などに対する無意識の先入観・固定概念に気付いた体験談が並ぶ。
中には「酒田に初めて訪れた際、市公認キャラクター『もしぇのん』と『あののん』を見て、赤獅子のあののんが女の子だと思っていたら2人は性別がない妖精だと知った」といったものもあり、訪れた市民から「確かに」などの声が上がっていた。
見た人自身の気付きにもつながるように、各エピソードの最後に「そんな思い込み、ありませんか?」など問いかけを付け工夫したという。市共生社会課の守屋純課長は「個人の考え方、感じ方を認め合える社会を目指す第一歩として、まずはアンコンシャス・バイアスの存在を知ってもらうきっかけとなれば」と話す。
ミライニでは12日(月)まで。来月20日(金)―7月1日(火)には市役所1階フリースペースに展示する予定。