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荘内日報ニュース


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2025年(令和7年) 3月13日(木)付紙面より

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犠牲者の冥福祈り 被災地復興へ思い 東日本大震災から14年 庄内各地で追悼の催し

 東日本大震災から14年を迎えた11日、庄内各地で追悼の催しが行われた。庄内町の幼稚園と小中学校では友好町の宮城県南三陸町の特産品を使った「友好給食」を子どもたちが味わい、鶴岡市や酒田市では高校生や市民がキャンドルに明かりをともし、犠牲者の冥福と被災地の復興を祈った。


市民がろうそく灯す
まちキネでイベント

 同日夜、鶴岡市山王町の鶴岡まちなかキネマでは市民有志による追悼イベント「14年目の3・11~心にあかりを灯そう」が行われた。100本余りのろうそくに「被災地の復興を」「あの日を忘れない」などメッセージを書き込み、日が暮れた午後6時過ぎに点灯。約40人の市民が参加した。

 初めに近くの富樫ろうそく店の黒井朋美さん(34)が災害時の正しいろうそくの使い方について「燃えやすい物の近くや不安定な場所で使わない。安定感がある形のろうそくがおすすめ」とレクチャーした。

 続いて、サックス奏者の松本健一さん(鶴岡市在住)の演奏とともに参加者がろうそくに明かりをともし、揺らめく明かりを見つめながら犠牲者の冥福を祈った。
 娘と一緒に参加した市内の40代女性は「震災の発生当時は保育園に勤務しており、お昼寝中の子どもたちの安全確保に神経をとがらせた。娘はまだ生まれていなかったが、震災を風化させないよう誰のため、何のため祈っているのか伝えていきたい」と話していた。


インターアクト中心に
鶴東高でキャンドル

 鶴岡東高校(齋藤哲校長)では生徒が同校体育館でキャンドルをともし、東日本大震災で亡くなった人たちを追悼した。

 「3・11」を風化させないよう同校のインターアクトクラブ=菅原真里代表(2年)=が中心となり、生徒たちに呼び掛けて追悼式を開いた。
 体育館に集まった生徒たちは電球をつけたキャンドルを持ち、東日本大震災が発生した午後2時46分に合わせて黙とう。死者と行方不明者、震災関連死を含む2万2228人に祈りをささげた。

 石川仁菜(にいな)さん(1年)は「大震災が起きた時、私はまだ2歳。両親から聞いたりテレビの特集番組を見て『3・11』がどれほど大きな災害だったかを知った」、菅原代表は「震災で亡くなられた方をはじめ、遺族の気持ちを察すると14年たった今でもいたたまれない気持ちになる。冥福をお祈りした」と話した。

 追悼式には、国際ロータリー第2800地区(山形)の芳賀康雄ガバナーや役員、各地区ロータリークラブのメンバーも参列した。


キャンドルナイト
酒光陵高手作り

 酒田光陵高校ビジネス流通科2年生が企画した追悼イベント「キャンドルナイト」が酒田市中央公園で行われ、手作りした120個のキャンドルに火をともし、犠牲者の冥福を祈り、被災地の復興を願った。

 同科の生徒たちは2021年から毎年この日、震災で得た教訓を次世代に引き継ごうと追悼イベントを企画しており、今年のテーマは「MAKE A CHANGE」。キャンドルは企画に賛同した、同市幸町一丁目の光の湊内のレストラン「月のみち」「ル・ポットフー」から提供してもらった使用済み食用油、仏壇のさとう(同市二番町)の協力で集めた空き瓶を用いて手作りした。

 この日は中央公園ステージ前にキャンドルを配置し午後6時、一斉に点灯。「灯(とも)る思い 届ける光」と書かれたプラカードを手にした生徒たちは集まった市民と共に静かに黙とうをささげ、同市出身のシャンソン歌手・故岸洋子さんの「夜明けのうた」を合唱した。昨年7月に同市を襲った豪雨災害を受けて防災・減災を「自分事」として考えるようになったという、震災発生当時は3歳だった生徒代表の齋藤力さん(17)は「今なお避難生活を送っている人がおり、被災者・地のため自分にできることは何か考えながら行動していきたい。震災を風化させてはいけない」と話した。

 会場では、国内外で相次いだ自然災害の復興・復旧支援に充当するための義援金、被災者に向けたメッセージを広く募り、大勢の市民が協力していた。


友好献立給食
南三陸町特産使い
庄内町

 庄内町内の幼稚園、小学校、中学校計12施設で同日昼、友好町の宮城県南三陸町から届いた海の幸を用いた「友好献立給食」が行われ、園児・児童・生徒たちが友好町の特産品を使ったメニューを味わった。

 大震災で甚大な被害に遭った南三陸町を支援しようと、庄内町の職員らは毎日のようにおにぎりなどを届けた。「その時のお礼」として宮城県漁業協同組合歌津支所所属の漁師らが翌12年2月、ワカメを庄内町に寄贈。これをきっかけに庄内町では大震災を風化させないため、毎年届けられる海産物を用いて「友好献立給食」を実施している。この日の献立は南三陸町産のギンザケ、メカブ、ワカメを使った▽銀鮭焼き▽めかぶのすまし汁▽わかめのしょうゆの実和え―など。

 このうち、余目中学校(佐藤義徳校長、生徒372人)では、生徒たちが友好町のメニューを味わった。いずれも2年生の秋庭圭佑さん(14)、齋藤結喜さん(14)、足達一景さん(14)の3人は「昨年5月に南三陸町に行って震災についてたくさんのことを学んだ。今日の献立では脂が乗っていてサケがおいしかった。震災の記憶はないが、被害の様子は映像で見ているので自分たちも語り継いでいきたい」などと話していた。

市民有志が約100本のろうそくに明かりをともし、東日本大震災の犠牲者の冥福を祈った=鶴岡まちなかキネマ
市民有志が約100本のろうそくに明かりをともし、東日本大震災の犠牲者の冥福を祈った=鶴岡まちなかキネマ

南三陸町産の食材を使った給食を味わう 生徒たち=余目中
南三陸町産の食材を使った給食を味わう 生徒たち=余目中


2025年(令和7年) 3月13日(木)付紙面より

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過疎化が進む地域の農地保全 農村RMO形成目指すセミナー 庄内町

 農村型地域運営組織(農村RMO)の形成を目指して先行事例などを学ぶセミナーが7日夜、庄内町の立谷沢まちづくりセンターで開かれ、地域住民らが過疎化が進む地域の農地保全などについて理解を深めた。

 農村RMOは、近隣の複数の集落が手を取り合って集落機能を補完し、さらには非農家や企業などとも連携しながら地域全体で農用地保全活動や農業を核とした経済活動、生活支援まで行う新たな仕組み。RMOは「Region Management Organization」の頭文字を取ったもの。「地域で支え合うむらづくり」を掲げて農林水産省が形成を推進している。

 立谷沢地区では、2025年度に地域運営組織「清流の里立谷沢」(富樫豊一会長)を中心に組織づくりや将来ビジョンの策定などを進め、26年度から農水省の「農村RMO形成推進事業」に申請する方針。農地保全や生活支援活動に取り組みながら28年度までの形成を目指す。セミナーは全国の事例を学び、農村RMOへの理解を深めようと清流の里立谷沢が開いた。

 この日は農家や地域運営組織関係者ら約40人が参加。はじめに地域運営組織役員が同地区の人口や高齢化率、農業従事者の年代などについて説明。続いて中山間地の地域支援に取り組む「いわて地域づくり支援センター」の若菜千穂常務理事が岩手県奥州市伊手地区の取り組み事例などについて紹介し「農地は持っているが委託している人も増えており高齢化している。そうした非農家の人を巻き込んでいく手だてが必要」などと指摘。また、「全体の合意を得ようとすると何も始められない。若い人がやりたいことを応援する体制が重要で、誰が何をやりたいのかを改めて掘り起こすこと」などとアドバイスし、参加者は熱心に耳を傾けていた。

先行事例を学んだ立谷沢地区の農村RMOセミナー
先行事例を学んだ立谷沢地区の農村RMOセミナー


2025年(令和7年) 3月13日(木)付紙面より

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アウシュビッツ訪ね衝撃 石塚さん(鶴二中2年)まちキネで写真展

 鶴岡市の中学生が夏休みに訪れたアウシュビッツ強制収容所(ポーランド)で撮影した写真の展示会が、10日から同市山王町の鶴岡まちなかキネマ入り口通路で始まった。

 写真展を行っているのは鶴岡二中2年の石塚桃心(ももこ)さん(14)。「桃心から見た世界」と題して世界遺産ともなっている収容所の建物やガス室、焼却炉、博物館に展示されている靴や髪の毛、粗末な食事のサンプルなど26点の写真を飾った。

 石塚さんは、昨年の夏休みに母親の友人が付き添い、約1カ月間にわたりポーランド、オランダ、フランス、イギリスなどを旅行。祖父の手伝いでお小遣いを貯め、格安チケットで、オランダに住む知人の家を拠点にし、さまざまな見聞を広めてきた。アウシュビッツには5年前に、3歳年上の姉も訪れており、石塚さんも旅の目的のメインに据え、事前にまちキネで上映されていたアウシュビッツ関連の映画『関心領域』も鑑賞して備えたという。

 写真には自身の言葉で解説と感想が添えられた。石塚さんは「アウシュビッツを訪れる機会を頂き感謝している。実際に訪ねてみて衝撃を受けたけど、日本にいては知らなかったアウシュビッツの歴史を知ることができた。さまざまな方法で殺されたり、死ぬまで強制的に働かせられた人が何百万人もいたということを、いろんな人に知ってもらいたい」と話している。

 展示は4月10日(木)までの1カ月間。まちキネの営業時間中は鑑賞することができる。

アウシュビッツでの写真展を開催した石塚桃心さん
アウシュビッツでの写真展を開催した石塚桃心さん


2025年(令和7年) 3月13日(木)付紙面より

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青空広がる赤川 太公望集う 庄内に春告げるサクラマス釣り本格化

 庄内地域に春の訪れを告げるサクラマス釣りが酒田市浜中の赤川河口付近で本格化し、青空が広がった11日は県内外から大勢の太公望たちが訪れ、さおを出す姿が見られた。

 「県の魚」のサクラマスは例年、赤川と最上川は3月に釣りが解禁され、5月にかけピークを迎える。特に赤川河口は「聖地」として広く知れ渡り毎年、県内外から多くの釣り人が訪れる。赤川漁業協同組合(鶴岡市本町三丁目、長谷川幸吉代表理事組合長)によると、曜日に関係なく、天候が良ければ河口にかけて両岸にずらりと太公望が並ぶという。中には朝の出勤前にさおを出す人も。「粘りに粘って1日1、2本釣れるかどうかというのがサクラマス。なかなか釣れないのも醍醐味(だいごみ)の一つ」と。

 11日午後は国道112号袖浦橋上流部に位置する通称・三段付近を中心に河口まで両岸合わせ30人ほどの太公望が訪れた。岩手県花巻市から釣りに来た男性は「太平洋側は全く釣れていない。日本海側と太平洋側で好不漁が逆になりやすいと聞いて狙いに来た。1本でも釣れたら」と何度もルアーを投げ入れていた。

赤川河口付近でサクラマス釣りが本格化=11日午後
赤川河口付近でサクラマス釣りが本格化=11日午後



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