2005年(平成17年) 12月3日(土)付紙面より
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鶴岡市の加茂水産高校(長谷川啓次校長、生徒219人)の生徒たちが2日、中間育成したシノコダイ(クロダイの幼魚)を、加茂小学校の5年生と一緒に校舎裏の加茂レインボービーチへ放流した。
庄内ではクロダイ釣りの歴史が深く、現在でも釣り人口が多い。30センチ以下の幼魚が釣りの対象なることもある。同校では「クロダイにとっては自然界よりも釣り人が天敵になる」として、昨年初めてシノコダイの中間育成に取り組んだ。
9月上旬に同市三瀬の県水産振興協会から体長5.5センチほどの稚魚100匹を譲り受け、3カ月間にわたり海洋環境科マリン系の3年生が飼育しながら生態などを学んだ。
中間育成したシノコダイは、自然に対して無防備な状態で放されるため警戒心が薄いことから、釣りのシーズンが終わる12月に放流することにした。
この日、マリン系3年生17人と加茂小5年生7人が放流に参加。学生講師によるクロダイ講習会が同高校で開かれた後、ビーチに移動した。シノコダイは平均体長8センチほどに育っており、生徒と児童はバケツに数匹ずつ分けると海岸から静かに海へ放した。シノコダイはあっという間に散らばり、波間に消えていった。
同校では追跡調査のため、今回放流したシノコダイ100匹すべて、背びれの下付近に透明タグを打ち込んでおり、「万が一釣り上げた人がいたら、学校まで連絡してほしい」と話している。
高校生の指導どおり、シノコダイを放流する加茂小の児童たち