2019年(令和1年) 12月27日(金)付紙面より
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東北公益文科大(吉村昇学長)の学生たちが、「酒田市の公共施設マネジメント(経営管理)のPR」をテーマに動画を制作し25日、同市の矢口明子副市長に披露した。人口減少の中で公共施設の統合・再編や、大規模改修して延命化を図る意義などを分かりやすく紹介したもので、同日から動画投稿サイト「You Tube」にアップし、一般にもアピールしていく。
この取り組みは、2017年度に同大学に設置された「地域イノベーション研究所」(所長・斉藤徹史准教授)が市の要請を受けて制作した。市行政経営課によると、人口減少で市の税収が減る一方で公共施設の老朽化が進む中、廃止や統合・再編、延命化などの対応が不可欠だが、市民の関心は概して低いという。そのため同研究所の協力で市民向けの出前講座を開く中で、啓発のためPR動画を作る案が浮上した。
制作したのは、佐藤大雅さん(21)=小国町出身=ら、同研究所に協力している3年生5人。今秋から自分たちでシナリオを考え、撮影、編集も行った。
動画は、大学のゼミで学生たちが市の公共施設について話し合うという想定で、「使われていない公共施設がたくさんある」「人口減で税収が減り、全てを維持していくのは難しい」として、閉校した小学校をコミセンにしたり、老朽化した小学校の校舎を改修して延命化を図った例などを紹介し、「公共施設の管理についてみんなもっと関心を持とう。詳細は市ホームページで」と誘導するもの。静止画と字幕、音声によるスライド動画で、長さは約1分とコンパクトにまとめた。
この日は佐藤さんら学生5人が斉藤准教授と共に市役所を訪れ、矢口副市長に動画を披露。佐藤さんは「20、30代の若者をターゲットに、スマートフォンなどで気軽に見られるようにした。市のホームページに誘導できるよう、インパクトあるものにした」と制作の狙いを説明。「これまで公共施設についてあまり知らなかったが、大切なことなので、市民に伝えなければと思った。理解してもらえたらうれしい」と話した。
矢口副市長は「職員の思いを代弁した動画で、とてもうれしい。大学と行政との協働でできた点も素晴らしい」、斉藤准教授は「人口減少が進む中で公共施設をどうするかは、全国的な課題。若い人にも身近な問題として考えてもらうきっかけになれば」と話した。
2019年(令和1年) 12月27日(金)付紙面より
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鶴岡市の三瀬保育園(本間日出子園長)の年長児たちが26日、毎月1回の論語素読のため同市の致道館を訪問、この日学んだものも含め計18章を元気に読み上げた。
同園では、保育方針が旧藩校致道館の学びの柱「天性重視」「個性伸長」に通じるとして、2016年から毎年庄内論語の素読に取り組んでいる。今年度も年長児16人が昨年4月から毎月致道館を訪問、1年かけて同館統括文化財保護指導員の富樫恒文さん(72)から庄内論語55章のうち20章を学んでいる。
この日は年長児14人が訪問。格式の高い御入間で背筋を伸ばして正座すると、富樫さんに続いて素読した。中にはテキストに目を落とさず、前を向いてそらんずる子も。富樫さんから「立派な人は誰とでも仲良くする。つまらない人は友達を選ぶ。誰とでも仲良く遊ぼうね」などと解説してもらった。
伊関悠ちゃん(6)は「みんなと一緒の素読は楽しい。特に好きなのは『子日く。父母唯其の疾を憂う』。リズムが好き。小学校に入っても勉強を頑張る」と話していた。
園児たちは来年2月、来年度論語を学ぶ同園の年中児たちの前で素読を披露する予定。