2025年5月24日 土曜日

文字サイズ変更



  • プリント用表示
  • 通常画面表示

荘内日報ニュース


日付の新しい記事へページを移動する日付の古い記事へ
  • ニューストップ
  • 最新記事
  • 戻る

2025年(令和7年) 2月19日(水)付紙面より

ツイート

庄内 過去最大の松くい虫被害 24年10万4399立方メートル 選択と集中「ゾーニング」対策強化

 庄内地域のクロマツ林で「松くい虫」(マツノマダラカミキリとマツノザイセンチュウの総称)による被害が広がり、2024年は鶴岡、酒田、遊佐3市町の国有林・民有林計10万4399立方メートル(材積換算、暫定値)に及び、過去最悪を更新したことが分かった。「感染源」となる被害木を全て伐倒できなかったことに加え、春から夏にかけての高温による樹勢の衰えが主因。今後、伐倒駆除、消毒液散布といった既存の対策に加え、保全を行うエリア、広葉樹への樹種転換を進めるエリアに区分して林の特性に合わせた管理を行う「ゾーニング」に取り組み、被害の軽減を図っていく。

 17日に遊佐町議場で開かれた庄内海岸松くい虫対策強化プロジェクト会議(議長・松永裕美町長)で、庄内森林管理署と県が示した。

 松枯れの原因となるのは体長1ミリほどのマツノザイセンチュウ。この虫を媒介するのがマツノマダラカミキリで、松から松へと飛び回って樹皮を食べる。この際にセンチュウが木の中に入り込むことで木が衰弱し枯れてしまうという。

 県が実施した24年の民有林調査は計7万5732立方メートル(前年3万9535立方メートル)、庄内森林管理署による国有林調査では計2万8667立方メートル(同1万7826立方メートル)でそれぞれ被害が確認された。市町別にみると、鶴岡市1万938立方メートル(同7471立方メートル)、酒田市7万3097立方メートル(同3万6296立方メートル)、遊佐町2万365立方メートル(同1万3594立方メートル)。

 この日の会合には庄内森林管理署と県、3市町、森林組合、自然保護団体、関係する3JAから計約30人が出席。被害対策の「選択と集中」を図るため導入する「ゾーニング」は、保全を最優先とし防風・防砂機能の維持を図る「重点エリア」、広葉樹への樹種転換を進めることで地域の森林機能の維持を図る「準重点エリア」にクロマツ林を区分することで庄内海岸林の多様化を進め、将来にわたって持続可能な管理につなげる。意見交換では国に対して支援を求める声が多く出された。

 議長を務める松永町長は「さまざまな困難を打ち破ってきた先人に習い、この危機を乗り越えるため知恵を出し合い、地域が一体となって全力で防除対策に取り組んでいきたい」と述べた。

クロマツ林が広がる酒田市川南地区では倒木がビニールハウスを直撃するなど被害が出ている=昨年11月、五十嵐良弥JAそでうら代表理事組合長提供
クロマツ林が広がる酒田市川南地区では倒木がビニールハウスを直撃するなど被害が出ている=昨年11月、五十嵐良弥JAそでうら代表理事組合長提供



日付の新しい記事へページを移動する日付の古い記事へ

記事の検索

■ 発行月による検索
年  月 

※年・月を指定し移動ボタンをクリックしてください。
※2005年4月分より検索可能です。

  ■ キーワードによる検索
   

※お探しのキーワードを入力し「検索」ボタンをクリックしてください。
※複数のキーワードを指定する場合は半角スペースを空けてください。

  • ニューストップ
  • 最新記事
  • 戻る
ページの先頭へ

ニッポー広場メニュー
お口の健康そこが知りたい
気になるお口の健康について、歯科医の先生方が分かりやすく解説します
鶴岡・致道博物館 記念特別展 徳川四天王筆頭 酒井忠次
酒井家庄内入部400年を記念し、徳川家康の重臣として活躍した酒井家初代・忠次公の逸話を交え事績をたどる。
致道博物館 記念特別展 第2部 中興の祖 酒井忠徳と庄内藩校致道館
酒井家庄内入部400年を記念し、庄内藩中興の祖と称された酒井家9代・忠徳公の業績と生涯をたどる。
致道博物館 記念特別展 第3部 民衆のチカラ 三方領知替え阻止運動
江戸幕府が3大名に命じた転封令。幕命撤回に至る、庄内全域で巻き起こった阻止運動をたどる。
致道博物館 記念特別展 第4部 藩祖 酒井 忠勝
酒井家3代で初代藩主として、庄内と酒井家400年の基盤を整えた忠勝公の事績をたどる。
致道博物館 記念特別展 第5部 「酒井家の明治維新 戊辰戦争と松ケ岡開墾」
幕末~明治・大正の激動期の庄内藩と明治維新後も鶴岡に住み続けた酒井家の事績をたどる。
酒井家庄内入部400年
酒井家が藩主として庄内に入部し400年を迎えます。東北公益文科大学の門松秀樹さんがその歴史を紹介します。
続教育の本質
教育現場に身を置く筆者による提言の続編です。
教育の本質
子どもたちを取り巻く環境は日々変化しています。長らく教育現場に身を置く筆者が教育をテーマに提言しています。
柏戸の真実
鶴岡市櫛引地域出身の大相撲の元横綱・柏戸の土俵人生に迫ります。本人の歩み、努力を温かく見守った家族・親族や関係者の視点も多く交えて振り返ります。
藤沢周平の魅力 海坂かわら版
藤沢周平作品の魅力を研究者などの視点から紹介しています
郷土の先人・先覚
世界あるいは全国で活躍し、各分野で礎を築いた庄内出身の先人・先覚たちを紹介しています
美食同元
旬の食べ物を使った、おいしくて簡単、栄養満点の食事のポイントを学んでいきましょう
庄内海の幸山の幸
庄内の「うまいもの」を関係者のお話などを交えながら解説しています

株式会社 荘内日報社   本社:〒997-0035 山形県鶴岡市馬場町8-29  (私書箱専用〒997-8691) TEL 0235-22-1480
System construction by S-Field