2025年(令和7年) 2月20日(木)付紙面より
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鶴岡市民俗芸能交流発表会が16日、同市の荘銀タクト鶴岡で開かれ、市内の7団体がそれぞれの地域で伝承している芸能を披露した。
市内各地域で継承されている伝統芸能を地域の枠を越えて多くの市民に知ってもらうとともに、貴重な伝統文化を次世代につなげるため各保存会の担い手同士の交流を図ろうと、市教育委員会が2019年度から開催している。6回目の今回は鶴岡地域の大山いざや巻、高坂薬師神社獅子舞、藤島地域の市指定無形民俗文化財の添川両所神社御獅子舞、櫛引地域の丸岡桐箱踊り、東荒屋新山神社天狗舞獅子舞、温海地域の槙代ワッパ舞、温海嶽熊野神社獅子舞の各保存団体が出演。子どもを含め7団体合わせて約90人がステージに立った。いざや巻は6年連続6回目、熊野神社獅子舞は2年ぶり3回目の出演で、他の5つの民俗芸能は初出演となった。
初出演のうち丸岡桐箱踊りは、鉦(かね)と太鼓の拍子に合わせて輪になって踊るもので、一説には丸岡に配流された熊本(肥後)藩2代藩主・加藤忠廣と母親を慰めるため、村人が踊ったのが始まりと伝えられる。踊りの名称は、大切な書類はすべて桐箱に入れて保存したことから、「大切なもの」として名付けられたともされ、かつてはお盆の時期などに踊られていた。
戦中・戦後に途絶えたのを昭和40年頃に復活させて保存会を結成し、継承している。発表では子どもから高齢者まで約30人が出演し、一緒にステージ上で輪になって華やかな踊りを披露。来場した約400人から大きな拍手が送られた。